『イランの米への報復は何処で?』

2020年1月 4日

 イランのハメネイ師はスレイマニ将軍の、アメリカによる暗殺に対して、明確に報復の意志を示した。イラン側はしかるべき時期に、しかるべき場所で報復すると誓っている。それは当然であろう。スレイマニ将軍はハメネイ師が絶賛するほどの、イランの英雄であったのだから。

 そしていまイランは、スレイマニ将軍暗殺への、報復を誓ったわけだが、時期は分からないとし、と言ってもそう遅くはないだろうが、場所は二つ考えられる。一つはアラブ首長国連邦、サウジアラビア、イラク、シリアのアメリカ大使館に対する攻撃、そしてレバノンにも。つまり、アメリカの権益を片っ端から、叩くということだ。その結果、アメリカは中東地域から、全面的に後退していく、というシナリオだ。

 もう一つのシナリオは、シリアに駐留する石油ドロボーの、アメリカ軍部隊基地に、攻撃を掛けることだ。この場合、シリアにはヘズブラがおり、IRGC(革命防衛隊)がおり、シリア軍も何とかアメリカ軍を、追い出したがっている。

 加えてイラクにもIRGCはいるし、イラク人の部隊もアメリカに怒っている。イラク国内で暗殺事件が起ったことは、イラクに対する侮辱であり、恥でもあろう。そうした勢力が一緒になって攻撃すれば、アメリカ軍は全滅するだろう。

 その勢いでイスラエルにも、攻撃をかけるかもしれない。テルアビブには多数の、ミサイルが打ち込まれる、まさに末世であろう。そんな推測はアメリカも、イスラエルもしているはず、アメリカとイスラエルはどう決着付けるのか、その能力はあるのか、もう少し様子見ですかね。

 世界では今回の出来事が、第三次世界大戦に繋がる、と不安を抱いているのだ。その不安を抱かないのは、日本人だけであろう。