『2020危険人物と危険な出来事』

2020年1月 1日

  2020年に世界の誰が、最も危険な人物なのか、ということと、どんな出来事が世界にとって、危険なのかという、世論調査が行われた。これはドイツのビルド新聞の依頼により、INSA社が行なったものだ。

 この世論調査の結果によれば、いま世界の安定と安全に、最も脅威を与える人物は、アメリカのトランプ大統領ということだ。そして驚くことに、二番目に挙げられたのは、トルコのエルドアン大統領だった。

 トランプ大統領が最も危険だ、と見なした割合は80パーセント、エルドアンが危険だとした者の割合は、75パーセントだった。つまりこの2人が、世界に脅威を与える、代表的な人物、ということだ。

 次いで北朝鮮のキム・ジョンウンで73パーセント、そしてロシアのプーチン大統領は、63パーセントとなっている。つまり、プーチン大統領がこの危険人物リストの、上位に入ったのは、彼の狂気性ではなく、ロシアという国の持つ国力に対する、脅威から来るものであろう、と思われる。

 しかし、エルドアン大統領はプーチンとは、全く違う要素で、この危険人物リスト上位に、入っているのだ。ドイツの大衆はエルドアン大統領が、独裁体制を確立したことに、トルコ国内外から、非難が起こっていることを、知っているのだ。

 しかも、エルドアン大統領はトルコ国民の人権を、完全に無視してもいるのだ。中東世界なかでもトルコでは、大きいことはいいこと、有名なことはいいこと、といった評価があるが、世界中から独裁者と非難を集める、エルドアン大統領への評価には、さすがのトルコ人も、うんざりし、不安を抱いていることであろう。

 これ以外の現象面の危険については、気候変動が危険、とする評価が42パーセント、過激イスラム運動が、危険とするものが38パーセント、そして戦乱地域を中心に、流入してくる移住者問題が、33パーセントの票を得ている。

 確かに気候変動は、異常な情況を見せており、ロシアが暑くなり、アラブが寒くなるという、逆転現象が起こっている。また、イスラムの過激な動きは、次第に中東地域からアフリカへ、そしてヨーロッパに拡大している。ヨーロッパ各国はこのことが原因で、次第に右傾化して、きてさえいるのだ。それえは難民のヨーロッパへの移住も、大きな影響を与えている。多数の難民の流入は、その国の人口比率を、変えつつあるのだ。言うまでも無く、難民はそこに定住しても、貧困層に放置される者が多く、社会的不満を増大させている。こうしたことは、今後の世界を不安的化と、危険な状態に、導いていくのであろう。