IS(ISIL)が衰退した、と言われている。確かに、イラクでもシリアでも、IS(ISIL)の攻撃はほぼ止み、シリアではイドリブにある、IS(ISIL)のキャンプに、収容されている。
しかし、幸運なIS(ISIL)のメンバーたちは、妻子を帯同し、イラクのアメリカ軍基地のそばに、移動させられている。そこからまた、アフガニスタンやリビアに、移動させられている者もいる。
現在のIS(ISIL)について、アメリカ軍のアレクサス・ギィンケウイッチ将軍が、語るところによれば、『IS(ISIL)は今でも十分に、再活性化する能力を、保持している。彼らはアメリカ軍が、イラクやシリアにいる彼らに、圧力を掛けなければ、十分に再活性化する能力を、保持している。』というのだ。
アメリカ軍の存在によって、イラクではIS(ISIL)の成功は、果たせなかった。イラクでは反政府デモが継続し460人が死亡している、本来であればIS(ISIL)は、彼らを味方につけることが、出来ていたのだ。
イラクではイランのイスラム革命防衛隊の司令官、スレイマーニ将軍がアメリカ軍によって、バグダッド空港を出て間もなく、殺害されている。彼はイラクの同胞の葬儀に、参列する予定であった、ということだ。
このこともあり、イラクの議会は1月5日に、外国軍なかでも、アメリカ軍のイラク国外への退出を、求める決議を出すに至っている。現在、イラク駐留のアメリカ兵の数は、5200人だと言われている。
しかし、イラク議会の決議とは異なり、ダボスでトランプ大統領と話し合った、イラクのサーレハ代表は、アメリカ軍の継続的駐留に、合意している。もちろん、この合意に対しては、イラク国民の間で大反対となり、デモが起こっている。
イラクの政府と国民の意思は、対立しており、政府の方針を素直に受ける、つもりはないようだ。従って、アメリカ軍は今後も、一部削減するものの、イラク駐留を継続するであろう。そうでなければイラクは再度、IS(ISIL)の活動が活性化して、行くことになろう。
イラク政府の幹部は、アメリカ軍の同国内の駐留は、快く思っていないが、アメリカ軍が撤退した場合に起こる、IS(ISIL)の再活性化による、国内混乱が不安なのだ。