『HSBCトルコから撤退』

2020年1月31日

  イギリスの香港上海銀行(HSBC)が、トルコ市場から撤退することを決めた。もちろん、これはトルコだけではなく、アルメニア、ギリシャ、オマーンなど利益率の低い国からの、撤退の一部だが、やはりトルコにとっては、あまり嬉しくないニュースであろう。

 HSBCがトルコで持つ権益を、トルコの企業に売りたいようだが、果たして買い手が、現れるのか疑問だ。HSBCはこれまでに、2013年には315の支店を閉鎖し、6000人のスタッフを首切りしているが、続く2019年には、80のブランチを閉鎖し、2000人のスタッフを、首切りしている。

 トルコからの撤退の要因は、トルコ・リラが安定していないこと、経済問題が拡大していること、にあるということだ。ローンでも損失が出ており、明るい見通しは、立ちそうにない。

 イギリスのHSBCが支店の閉鎖や、スタッフの首切りを進めているのは、イギリスそのものの経済状態、そしてEUからの撤退問題、BREGSITが響いているのであろう。

 トルコもしかりで、経済は難局にある、エルドアン大統領は企業の保護のために、金利を下げたが、そのことは外国からの投資を、減らすことでもある。従ってトルコは、金利を下げても上げても、リスクが発生する状況に、あるということだ。

 外国からの借入金(投資資金)で、成り立っているトルコ経済は、今後、益々難しい局面に向かおう。