元副首相だったアリ・ババジャン氏が、新党を結成する運びだ。新党は来年早々、結成されるものと、思われている。アリ・ババジャン氏は穏やかな性格であり、多くの支持者を抱えているが、今回の新党結成では、彼のもうひとつの側面が、表面に出てきているのであろう。
アリ・ババジャン氏はエルドアン体制について「現状に常に残念だと感じている。』と語り、トルコはいま政治の刷新が、必要なのだとも言っている。つまり、アリ・ババジャン氏はエルドアン政治に、直接的な批判をした、と言うことだ。
彼は元内閣にいたこともあり、かつ、与党AKPの設立当時からの、メンバーでもある。従って、エルドアン大統領はアリ・ババジャンの人柄について、よく知っている。だからこそ、エルドアン大統領は6か月前に、アリ・ババジャン氏に対して、政府に戻れと声をかけたのだ。
2017年に取り入れられた、アリ・ババジャン氏は大統領システムについては、極めて悲観的であり、元の議会制民主主義に戻すべきだ、と考えている。エルドアン大統領は現在、トルコ社会が抱えている若者の、失業問題をごまかすために、新ボスポラス海峡建設などを、進めようとしているが、それは所詮、誤魔化しでしかない。
アリ・ババジャン氏は、与党AKP内部の考え方を、よく分っているため、エルドアン大統領にとって彼の攻勢は、相当厳しいものになりそうだ。
先に新党結成を宣言した、ダウトール元首相と合わせ、エルドアン大統領は二人の元盟友によって、来年から攻撃される立場に回る、ということだ。