元首相のアハメト・ダウトール氏は、エルドアン大統領をカルトだ、と非難している。これは極めつけという感じの、誹謗の言葉であろう。ダウトール元首相は現在60歳、既に彼の新党『未来党』を結成している。
彼は『現在の状態では民主主義は、成立し得ない。』と語り、今年の9月に与党AKPから脱党している。彼は報道の自由や法の公正、法の独立が必要だ、と語っている。
また習慣に基づく、リベラリズムも必要だと語り、『トルコにはトルコ人に加え、アルメニア人も、ギリシャ人もアッシリア人も、居住している、と語っている、事実その通りだ。それが平等でなければ、民主主義は成立しない、ということになろう。
エルドアン大統領の問題点は、まさにこの点であろう、彼エルドアン大統領は、法律を改悪して、こうした基本的な権利を、否定しているのだ。そのため元財相のアリ・ババジャン氏も、AKPから離脱し、今月末までには新党を、立ち上げるつもりだ。
ここまで厳しい、エルドアン大統領に対する非難をした以上、ダウトール氏はエルドアン大統領の報復を、覚悟しているのであろう。だが、それ無しには、弱いキャラクターの一面しか出てこず、大統領選挙では、国民にアピールできまい。
トルコ国民の性向は、強い男を好むというものであり、ソフトなイメージは、マイナスなのだ。ダウトール氏とは、もう20年近く前だったと思うが、彼の運営するイスラム研究所を、訪問したことがある。その帰路、彼は近くのケバブ・レストランでご馳走してくれた。これもトルコ国民の習性であり、客にはケバブを奢るのが普通だ。
当時の彼は、とても政治家に、なるとは思えない、ソフト派であったと記憶する。ゆっくり低い声で、相手に分かるように話すタイプの、人物だったのだが、それだけでは、トルコ国民に訴えないのだ。それがカルトという言葉を、彼ダウト-ル氏に喋らせたのであろうか。