『アルジェリア選挙これまでのデモは何だったのか』

2019年12月14日

 アルジェリアの新大統領が決まった。彼の名はアブドルマジド・テッボウネで、彼は元住宅相や、首相職を務めた人物だ。年齢は74才、得票数は58.15パーセントだったということだ。

 

 この得票数は過半数に達しているため、選挙管理委員長アハマド・ミザブは、再投票の必要はない、と述べている。投票参加者は900万人だったということだ。

 

 しかし、デモ参加者の一人ライド・メケルシ24歳は、ヒラク『運動』組織の、設立当初からのメンバーだ。彼は今後もデモを続けける方針だ。彼は『我々が20年も続いた、ブーテフリカ体制を打倒したのだ。今回の選挙で誰が当選しようとも、抗議デモを継続する。』と語っている。

 

 従って、アブドルマジド・テッボウネ新大統領は、難しい舵取りをさせられることになる。石油とガスがアルジェリアの、主要外貨収入源だが、何れも価格が下がっており、2020年の国家予算は、9パーセントもカットしなければ、ならなくなっている。

 

 その事は、政府による一般消費物資や、生活必需品に対するする援助が、減るということであり、庶民の不満はおのずと、高まることになろう。その事は、デモが再度拡大し、過激化する可能性が、高いということだ。

 

 今回の大統領選挙には、アブドルマジド・テッボウネ以外に、元首相経験者や二人の閣僚、与党の中央委員などが立候補していた。つまり、全てが旧体制の人物たちであった、ということだ。

 

 そして、元首相のアブドルマジド・テッボウネが、当選したということは、国民の多くがいまのような、混乱を嫌っているということであろう。安定した社会を求めている、ということだ。しかし、若者たちの血は熱いという事であろう。