『サウジアラビア大赤字予測』

2019年12月10日

 サウジアラビア政府は来年度予算の、大赤字が予測されている、その原因は述べるまでもなく、サウジアラビアの主要な国家収入源である、石油価格の暴落にある。そのためOPEC各国は、石油生産を削減している。

 サウジアラビア政府は来年の予算を、2720億ドルとみているが、今年の予算に比べ78パーセントの減少だ。来年の石油収入は、2220億ドルと見積もられており、14.6パーセントの減少だ。

 OPEC諸国は現、50万バーレル/日の減産に合意しているが、多分、再度の減産合意が必要だろう、とみられている。

 サウジアラビアは収入の3分の2を、石油収入に依存している石油価格を下げないためには、それでも減産が必要だということだ。

 石油価格は来年も下がることが、予測されており、サウジアラビアは来年、498億ドルの赤字となりそうだ。それは当初予測していた、350億ドルよりも大きい額だ。来年のサウジアラビア政府の予算赤字は、6.5パーセントと見られている。

 どうやら、世界的な石油離れや、経済の後退などで、大産油国であるサウジアラビアも、苦しい台所事情になりそうだ。サウジアラビアが何十億ドルという、戦費を費やしているイエメンとの戦争も、こうした理由から、、そろそろ終わりにしたい、というのが本音であろう。

 それがイランとつながる、最大の敵イエメンのフーシ・グループとの、和平交渉の開始であろう。背に腹は代えられない、ということであろうか。いずれにしろ、戦争から平和に向かうことは、歓迎されるべきであろう。