『アメリカは経済苦か・エジプトのロシア兵器購入

2019年12月 3日

  アメリカ政府はエジプトの、ロシアのスホイ35(S―35)戦闘機の購入を、阻止する構えのようだ。アメリカはそのために、エジプト政府に圧力をかけている。どのような圧力かと言えば、お決まりの経済制裁や、経済支援阻止だ。

  そして極め付けは、軍事援助のカットであろう。アメリカはこれまで、イスラエルとエジプトが和平に、合意したことで、イスラエルとエジプトに対し、軍事援助を決定し、実行していた。エジプトへの軍事援助総額は、確か13億ドルだったと思う。

  その軍事援助を止める、とアメリカはエジプトに対して言っているのだ。これは厳しいものとなろう。だがエジプトはこの脅しを、過去にも何度も受けている。そのため、アメリカが期待するほど、応えてはいないかもしれない。

  また、この13億ドルの援助は、アメリカ製兵器を購入することが、条件づけられているため、エジプト国民の間では、エジプトには直接的な利益にはなりにくい、という意見もある。

  そもそも、事の起こりは、トルコのロシア兵器輸入に、始まったものだった。トルコはロシア製S400ミサイルを、購入すると言い出し、アメリカの猛烈な反対が、あったにもかかわらず、これを実行した。

  その後も、アメリカがロシアのS400を買うのであれば、アメリカはF-35戦闘機を売らないと言い出した。そんな運びとなったのは、アメリカがS400で強硬姿勢を取り、これに反発したトルコは、あくまでもS400を購入する、と言ったことに対する返答だったが、アメリカ製のF35戦闘機よりも、ロシア製のS-35戦闘機の方が、性能が優れているという、もっぱらの評判だ。

 結果的に、トルコはF35戦闘機の購入をあきらめ、ロシア製のS-35戦闘機を、買うことになりそうだ。こうしたトルコとアメリカとの、やり取りを見ていた、アラブ湾岸諸国など、アラブの多くの国々は、何とか自国もロシア製兵器を、購入したいと思っている。その先頭を走っていたのが、エジプトだったということだ。

 エジプトは今回のアメリカによる、ロシア製兵器購入阻止を、はねのけ、ロシアのS-35戦闘機を購入するのではないか。そうなれば、なし崩しにアメリカの、ロシア製兵器購入阻止が、世界中で崩れていくことになろう。

アラブ世界では、ロシアのS-35戦闘機の方が、アメリカのF35戦闘機よりも高性能だ、ともっぱらの評判だ。しかも、売り物だったF35戦闘機の、ステルス性能は無効だという、噂も流れている。

 どうやら、これから先の世界の兵器市場は、ロシアがアメリカに勝りそうだ。それに対応するためには、アメリカが公正な外交を展開することと、兵器の性能を確実に、向上させていくことであろう。そして価格も適正に、抑えるべきであろう。アメリカ製の兵器はロシア製兵器の、ほぼ二倍だというのだから、あきれるほかあるまい。

 F35戦闘機の問題点は、余りにも高速なために、パイロットの体がもたない、それが克服できれば、世界一の戦闘機だ、という売りだったが、そんな戦闘機の性能を、フルに使えるパイロットはいまい。つまり無用の長物ということだ。