『アメリカ軍ISをシリアからイラクに移送』

2019年12月 6日

  アメリカ軍がシリアのハサカから、イラクのある場所にIS(ISIL)の家族を、移動させているようだ。女性や子供600人以上を、イラクに移送したと言われており、アメリカ軍は彼らに安全地帯を、与えるということであろう。

 彼らIS(ISIL)がいたのは、アルホル・キャンプでシリア・イラク国境に近い地域だ。そこはクルド・ミリシアの、SDFが管理していた。ここにイラクからアメリカ兵30人が、戦闘車両に乗って押しかけ、ハルブ・アルジール空港に陣取って、基地を構えたようだ。

 これまでもアメリカ軍による、IS(ISIL)の移送作戦は、暗闇に乗じて実行されてきていた。それは、次第にシリア軍のIS(ISIL)収容地域に対する侵攻が、激しくなってきているからだ。

 これらの地域には、トルコ軍が連帯するFSA(自由シリア軍)と共に、戦闘車両や戦車などで乗り付けている。トルコ軍は国境近くのハサカや、ラース・アルアインなどの支配を考えており、戦車3両、軍用ジープ5台、兵士運搬車両4台、、意思武装車両4台などで向かっている。

 彼らトルコ軍とFSAは、この地域の学校や、公共建物を占拠し、軍の事務所として利用している。他方、クルド・ミリシアのYPGも、ハサカを支配しようとしている。

 こうしたニュースを読んでいると、トルコ軍のシリア侵攻は、派手に宣伝されている割には、大きな成果を上げていない、ということではないか。確かに、トルコ軍がクルド・ミリシアやシリア軍と、激戦を交わしている、というニュースは、全く伝わってこない。

 アメリカもそうだが、大騒ぎする割には各国共に、戦闘は最小限で抑えたい、ということであろうか。反面、民衆によるデモや暴動は、激しさを増してきているが、これは中央政権の力が、次第に弱体化し、民衆パワーの方が勝ってきている、ということであろう。

 だが、民衆の蜂起、デモ、暴動は、被害は甚大だが、先行きがはっきりしていない、破壊のための破壊、に過ぎないのではないか。