『トルコ経済悪化か、種々の意見と兆候』

2019年11月27日

   トルコがカタールとの間で、スワップ合意に至った。その金額は50億ドルということなので、そう驚くほどの金額では無かろう。何せ日本は韓国に対して、一時期700億ドルのスワップ合意を、していたのだから。

 

  しかし、今のトルコにとってはその50億ですら、必要としている金額、ということであろう。トルコの経済はいま、大分厳しい状態ではないのか、と思えるのだが。

 

 

  そればかりではない。イスタンブールのイマモール市長が、外国からの資金の借り入れに、動き出しているということだ。そうしなければ庶民の生活は成り立たなくなるのだ。

 

  加えて、エルドアン大統領は中央銀行に対して、金利を下げるよう、圧力をかけ始めている。国内の経済状態が悪く、中小企業主たちが、資金難で苦しんでいるので、助けたいということであろうが、しかし、これは両刃の剣であろう。

 

  金利を下げれば、当分の間は中小企業が助かるが、外国からの借入金については、あまり変化がなかろう。そして、その結果外国からは、金利が下がったトルコには、資金を投入することが控えられる、そしてトルコは外貨不足に陥る、ということではないのか。

 

  野党はトルコ国内の失業率が、上がっていることを問題視し、政府に対するクレームが続けられている。トルコの現在の失業率は、全体の平均で14パーセント台だが、若者について言えば、25パーセントを超えているのだ。つまり、4人に1人は仕事が無い状態にある、ということだ。

 

  エルドアン大統領は目くらまし策として、新興宗教団体に対する、弾圧を始めている。これまではギュレ・グループが、やり玉に挙げられていたのだが、これからは、それ以外のグループに対しても、弾圧が及ぶということだ。

 

  彼らは逮捕され,投獄され、そこで拷問を受け、病気の者は治療も受けられず、薬も与えられず、獄中死する可能性が高いのだ。そのことをごまかすために、エルドアン大統領は『今後56

年で、トルコは戦闘機を自主開発し、輸出する。』と語っている。

 

  エルドアン大統領は今後56年、権力の座に居座り続けられるのか。全ては予測不可能なトルコの現今だ。