アメリカの同盟国である、世界の多くの国の軍が、驚くことに、武器を大量にロシアから輸入していることが、明らかにされた。ロシアは世界199か国のうちの、166か国に対して、同国製の武器を輸出している。
インドやベトナ、中国、バングラデッシュ、イラン、イラク、アルジェリア、ニカラグアなどは納得いくのだが、ロシアはフランスと軍事戦略や、武器開発で協力しているし、それはブルガリア、スロバキア、フィンランド、韓国も同様だ。
加えて、アラブ湾岸諸国のなかの、クウエイト、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、ヨルダンも含まれているのだ。
例えば、具体的に述べると、ロシアはギリシャに対して、航空防衛システムを、輸出しているし、揚陸艦、対戦車ミサイル、戦闘車両、Mi-26戦闘ヘリ、小火器なども輸出されているのだ。
ロシアはブルガリア、スロバキアとは、武器のメンテナンスと近代化で、協力している。例えばMig29戦闘機のアップ・グレードなどだ。韓国に対してはT-8戦車や BMP-3ヘリ、Ka-32戦闘ヘリなどが納入されている。
ヨルダンの場合は、RPG-32グレネード・ランチャーが納入されている。クウエイトにはBMPなど多くの種類の武器が、納入されている。それは、アラブ首長国連邦の場合も、同様だ。
こうしたロシアからアラブ諸国への、武器輸出は1994年から1997年に、増加傾向がみられる。サウジアラビアとも2017年には、35億ドルの取引が成立している。
驚いたことに、アメリカもロシア製武器の、輸入国になっている。アメリカの場合はベラルースなどを経由して、輸入しているということなのだ。このため、アメリカの武器メーカーは、資金難に陥り、労働者への給与も、未払いになっているケースが、マスコミで報じられている。
世界の動向は、既にアメリカの武器生産と、輸出のヘゲモニーは、崩れたということであろう。安価で性能のいいロシア製武器が、世界中で売れているのだ。これに対、アメリカに残された対抗手段は、政治的あるいは経済的な、締め付けだけであろう。だがその手段が、有効に機能するとは、思えなくなってきている昨今だ。