『イラクデモへの催涙弾銃弾は外国の犯罪』

2019年11月16日

  イラクの国防相ナジャ・シャマリ氏は、イラクのデモ隊に対して発せられた、催涙弾や銃弾は、外国人による犯行と主張している。その種の催涙弾は、イラク政府が輸入していないからだ。

 

 しかも、催涙弾は300メートルの距離から、発せられており、イラクの場合は75メートルから、100メートルの距離だ。そして、この外国人が使用したと見られている、催涙弾の毒ガス性は、通常のものに比べて、3倍も強力だというのだ。

 

 国際人権委員会のブレイン・カストナー氏は、デモ隊員の死亡は、通常ではない、と語っている。彼はこれだけの量の催涙弾が、このような使われ方をしたのは、見たことがないとも語った。

 

 催涙弾はデモ隊のメンバーに対して、頭や胸を狙って、発射されており、それが原因でデモ隊のメンバー31人が、死亡しているのだ。頭蓋骨や胸部から、取り出された金属片は、この催涙弾の破片なのだ。

 

 イラクでは抵抗の扇動は、イスラエルやアメリカによる、策謀だと言われている。デモ隊はサダム・フセイン大統領時代の、バアス党が復帰することは望まない、シスターニ師の指導の下に、帰りたいと語っている。

 

 もう一人の宗教指導者であるモクタダサドル師は、アメリカの関与は許さないと語り、百万人のデモを、呼びかけている。イラク国民はアメリカの介入を許さないために、早期の選挙が実施されることを、望んでいる。

 

 アメリカ政府も早期の選挙実施を、呼びかけている。こうしたことを受け、バグダッド政府は現在の混乱は、外国の関与によるものだ、と考えている。ある者は5000人の死者が出たのは、サウジアラビアからのプレゼントだ、と言っている。

 

 イラクの場合も、レバノンの場合も、デモの背後には、外国の関与が、語られているが、その手先は資金援助を進めている、サウジアラビアなどのアラブ湾岸諸国かもしれない。アラブ世界ではいま、相互不信が募っている、ということであろう。それだけ相互に関与しあっている、ということだ。