イランの中東地域における存在が、次第に拡大しているようだ。イギリスの国際戦略研究所は、イランが中東地域で躍進してきている、という分析を発表した。なかでも、シリア、イラク、レバノンにおける、イランの存在感は否定できない。
他方、サウジアラビアは莫大な武器輸入費用を、ついやしているが、あまり効果はないようだ。サウジアラビアはアメリカから、1100億ドルもの武器購入をしたのだが、サウジアラビアの石油施設は、あちこちで被害を受けている。これはイランの支援を受けている、イエメンのホウシ・グループの、攻撃によるものだ。
サウジアラビア縦断パイプラインや、リヤド近くの製油所などが、被害をこうむり、サウジアラビアは石油生産の全体の半分の生産を、止めざるを得なくもなったのだ。これは金で国際政治を押してきた、サウジアラビアにとっては、大変な不安であろう。
イランは国家ではない、民間の戦闘集団との、協力関係を構築している、例えばレバノンのヘズブラがその例だが、イランは革命思想をこの組織に、つぎ込んでいるのだ。いまでは、ヘズブラは完全にイランの革命防衛隊と、パートナー関係を構築しているのだ。
加えて、イランの革命防衛隊は、シリアとイラクに駐留し、戦いを続けている。シリアではイスラエルの支配する、ゴラン高原のすぐそばに、軍事基地を構えており、レバノンのヘズブラと、連携して戦っており、多くのドローンやミサイルを、持っているのだ。
イラクでもアメリカ軍の基地のある場所で、イランの革命防衛隊は頑張っており、イラクのミリシアとの協力関係が、ここでも生きている。イラクはシーア派国民が、多数を占めており、イラン支持者は多いのだ。
こうしたことで、イランは中東各地で、絶対的優位を確立することが、出来ている。これに対して、莫大な軍事費を投入してきた、サウジアラビアは不利な立場に回っており、もし、イランとサウジアラビアが,軍事衝突を起こした場合、サウジアラビアはアメリカ軍の支援をもってしても、苦戦するのではないか。
ただ、最近レバノンやイラクで起こっている躁動は、反イランであり、アメリカあるいはサウジアラビアの工作が、効奏しているのかもしれない。