『半分騙された感じのイエメン合意』

2019年11月 6日

  今朝のニュースを読んでいて、オットと思ったのは、イエメンの二派が和平に合意した、というものだった。タイトルを読んだ瞬間、これはサウジアラビアのカネ詰まりにより、イエメン各派に回る金が切れたか、減ったためであろうと考えた。

 

  しかし、ゆっくり読んでみると。そうではなかった。イエメンの正当政府とイランに支援されるホウシ・グループの合意ではなく、どちらかと言えば、敵対関係とは言い切れない、イエメン政府とその分派のようなグループ(STC)、との合意だということが分かった。

 

  それならばあり得よう、しかもその仲介は、ムハンマド・ビン・・サルマン皇太子であり、協議場所はサウジアラビアの、ジェッダだった。そうなると両者に対して、サウジアラビアはイエメンの再建資金を出す、というような話をしたのであろう。もちろんホウシ・グループと戦う軍資金と、武器も提供すると言ったのであろう。

 

  この合意に対し、国連イエメン代表グリフィス氏は、大喜びしたようだ。しかし、私に言わせれば、ばかげている話でしかないのだが。イエメンの言わば穏健派二派が、合意しても強硬派のホウシ・グループが、それに参加していないのでは,意味があるまい。

 

  今後この二派は一体となってホウシ・グループと戦うと言っているのだが、それにサウジアラビア軍も加担するのであろうか。それでは、イエメン市民の犠牲が、減ることはあるまい。

 

 イエメン内戦によるイエメン国民の犠牲は、既に10万人を超えており、インフラはずたずたなのだ。今後イエメンが復旧を進める時期が来ても、それには10年の歳月も、足りないのではないのか。イエメンの石を積み上げて作ったビルの再建には、もっと時間がかかろう。それは素朴ながらも、奇麗なものだった。