『中東短信』

2019年11月 3日

:シナイが新IS国家に

 バグダーデイが死亡後新IS(ISIL)となったアブイブライム・アルハシャミ・アルクライシュは、エジプトのシナイをIS(ISIL)の新国家の場所、と決めたようだ。モルシー大統領の時代には、ムスリム同胞団と関係がよかった(モルシーはムスリム同胞団のメンバー)かったことから、シナイ北部をパレスチナのハマース(ムスリム同胞団)に渡して、国家を創る構想を抱いていた。

 そうした経緯からIS(ISIL)(この組織はサウジアラビアのワハビー派の強い影響を受けているため、ムスリム同胞団と友好関係)はシナイに台頭していた。それがここに来て本格的に動き出すということであろう。

 

;ガザの新リーダーはアタ

 ガザの政治的リーダーシップは、ハマースが握っているが、最近、それが揺らいでいるようだ。ハマースに代わって台頭してきているのは、ジハード組織であり、そのリーダーはアタという人物だ。ジハード組織はスンニー派だが、イランの支援を受けている。ジハード組織のシリア代表はジアド・ナハラだ。他方、アタはロケットなど、武器の製造を担当しており、スラエルへの攻撃を、仕掛けている。

 世界の国々はガザの生活状況を、良くするために支援をしているが、内外の敵の邪魔により、スムーズに進んでいない。既にハマースはガザを、コントロール出来なくなっているようだ。最近、ガザ側からのスナイパー攻撃などによるイスラエル兵は死傷しているが、それはジハード組織の攻撃によるものだ。

 

:イラン副大統領ISはアフガンに向かっている

 イランの第一副大統領イスハクジャハンギリ氏は、IS(ISIL)がイラクとシリアを離れアフガニスタンに向かっていると語った。アメリカはその事によりアフガニスタンを不安定化させアメリカ軍の駐留口実を創るつもりだということだ。IS(ISIL)はアフガニスタンを始め、東アジアでの活動を、活発化させていく方針だ。

 

:アメリカ軍シリアに新基地建設

 アメリカ軍はシリア北東部に新軍事基地を建設し始めた。損も場所はアイヌルアラブ、コバネのようだ。トルオのアナドール通信の伝えるところによれば、50台の戦闘車両とトラックがイラクのアメリカ軍基地からアイヌルアラブに向かったということだ。これはM4高速道路を通過しており、その先にはマンビジュやカミシリがある。