アメリカでもしかすると、激変が起こりそうだ、と思われるニュースが、二つ流れている。一つは、トランプ大統領の意向とは別に、軍がシリア駐留を強化している、ということだ。次いで、アメリカのなかではトランプ大統領を告発し、クーデターで追放する動きが、起こっているということだ。
まず、アメリカ軍がシリアで軍を増強し、武器を大量に送り込んでいる、という情報だ。これは、シリア東部のユーフラテス川の東岸の地域での動きで、ここには大量の石油が、眠っている。その石油をアメリカは手放したくない、ということだ。
トランプ大統領もそう考え、数百人の兵員を、貼り付けることを、公言しているが、これでは足りない、というのがアメリカ軍の判断であろう。アメリカに切り捨てられたクルド・ミリシアが、最近ではアサド政権に接近し、アメリカの意向に真逆の動きを、し始めているからだ。
どうも、トランプ大統領の発言には、ちぐはぐな部分が、多いようだ。彼はシリアの石油を手放さない、IS(ISIL)から守ると言いながら、そのIS(ISIL)対応をクルド・ミリシアにまかせており、しかもクルド・ミリシアを実質、見放しているのだ。
トルコ対応では、トランプ大統領はトルコ政府が、停戦し大喜びしているが、マーク・エスパー国防相はトルコを、危険視している。トルコは攻撃を緩めていない、と判断しているのだ。
トランプ大統領は最近になって、国防省がシリア展開を拡大していることを、知り始めたようだ。国防省としてはクルド・ミリシアを支援し続け、石油地帯を守らせ、シリア政府軍がこの地域に、進出することを阻止したい、考えのようだ。
もう一つの情報は、アメリカ国内、しかもトランプ大統領の所属する、民主党内部で彼を弾劾する動きが、始まっているということだ。マット・タイビ議員は『我々はクーデター開始の、途中まで来ている。』と語っている。
そして彼は『トランプ大統領は彼が考えている、シリアからの撤退は出来ない、アフガニスタンや中東全域からも然りだ。』とも語っている。どうやらトランプ大統領には、言い訳のチャンスが与えられないのではないか、と見られている。
アメリカ国内ではそれほど、意見対立が目立ってきている、ということであり、その主因はアメリカの利益(石油)、ということのようだ。