ロシア政府とトルコ政府がシリア北部の、クルドミリシアへの対応で合意した。この合意は非常に意味のあるものとして、両国は合意に至ったことを喜んでいる。何せ明日にでも戦闘が展開され、多くの死傷者が出ることを、予想されていたのだか、ら無理もあるまい。
ロシアとトルコはシリア北部の係争地で、ロシア・トルコ合同軍が10キロまで入り、パトロールすることに合意した。次いでYPGは150時間以内に、シリア北部の係争地から、武器を移動することを、受け入れた。
この合意は水曜日まで延長可能、ということだ。また32キロ以外では、YPGの行動は許され、トルコ軍は攻撃を加えない、ということだ。YPG側はマンビジュとテルラファアトから、撤退することにを受け入れた。
トルコ軍はYPGなどに攻撃を、当分加えないことを受け入れた、といった内容だ。この合意が実施されるのであれば、トルコ軍の側にも犠牲は生まれまいし、クルド側にも犠牲は出まい。確かにエルドアン大統領が語るように、歴史的に偉大な合意、ということになろう。
エルドアン大統領にしてみれば、国際環境は必ずしもトルコにとって、いいものではない。EUはトルコのシリアからの撤兵を、強く主張しているし、アメリカも場合よっては、トルコを攻撃する、と語り始めている。
ただ、アメリカの軍部はシリアからの、アメリカ軍の撤退に反対しているが、トランプ大統領はシリアからの、完全撤退を希望している。そのためには、トルコを何とかなだめたい、と思っているのであろう。トランプ大統領はこの時期、トルコが被ってきた国境での犠牲について、言及しているのだ。
ここに来て、欧米はシリアのクルド人に、大きな犠牲が出ることを、何とか阻止したい、と考え始めたということであろう。そうでなければ、アメリカがIS(ISIL)対応で、クルドをさんざん利用した後、見捨てたという不評を、買うことになるからであろう。