『トルコ軍シリア侵攻・血の代償』

2019年10月14日

  トルコが始めたシリアへの、軍事侵攻作戦はトルコ国内で、死傷者を生み出している。その攻撃対称になっているのは、トルコの南東部の街であるサンヌルウファ、マルデンなどであり、細かくいうと、サンヌルウルファのアクチャカレ、ジェイランプナル、スルチュ、マルデンのヌサイビンといったところだ。

 

  アクチャカレでは7人が犠牲になり、ジェイランプナル、ヌサイビンでは木曜日に攻撃を受け、8人が犠牲になっている。スルチュでも金曜日には、2人が死亡している。これらの攻撃は、シリア側からロケット弾や、臼砲で行われ、その攻撃はPKKやYPGによって、行われたものだ。

 

  トルコの民間人の犠牲に合わせ、トルコ軍のなかからも犠牲者が出ている。トルコ軍がシリア北部の地域に侵攻し、YPGから報復された結果だ。このYPGについてはトルコ政府とヨーロッパ諸国、アメリカとの間には、認識に差異がある。

 

  ヨーロッパ諸国やアメリカは、YPGを対IS(ISIL)の協力ミリシアとみなしている。従って友軍ということになるのだ。しかし、トルコはこのYPGを、自国内の反政府テロ組織PKK(クルド労働党)と、連帯するテロ組織と見なしている。

 

  トルコ軍がシリア領内に軍事侵攻すると、アメリカはこれを非難した。そして、アメリカ軍はトルコ軍の侵攻して来る場所から、撤退している。今後アメリカ軍は、シリアから完全撤退することも、ありえそうな雰囲気に、なってきている。

 

 アメリカの議会では、民主党共和党の与野党議員らが、アメリカ軍のシリア撤退は、YPGやSDFといった、クルド・ミリシアに対する裏切りだ、と非難しており、アメリカ軍の駐留延長を主張している。しかし、トランプ大統領は大統領選挙を意識してか、アメリカ軍のシリアからの、全面撤退を主張している。

 

 今後、アメリカ政府がどのような結論を、出すか分からないが、シリア駐留をめぐり、駐留派と撤退派とに、アメリカ政府は分裂しており、多くの政府高官が、トランプ大統領によって首にされている。その代表格はボルトン大統領特別顧問であろう。