『クルドはトルコ軍の攻撃受けるが独立には繋がるまい』

2019年10月13日

  クルドのSDFやYPGは、トルコ軍に対峙している。今後相当の被害が、生まれるであろうことは、想像に難くない。既に戦死者が出ている。そのためSDFやYPGは、トルコ本土への攻撃を、始めているようだ。その攻撃で、すでにトルコ側では、市民が14人死亡している。

 クルド・ミリシアはアメリカ軍の、空からのカバーが必要なのだが、今のところアメリカ空軍は、動く気が無いようだ。そうなると、クルド側に出る犠牲は、大きいものとなろう。多くのクルド人の血が流されれば、欧米諸国ではトルコを非難する動きが、生まれようが、だからと言って、クルドを支援する軍隊を、送ることは期待できまい。

 欧米のクルド人に対する対応は、歴史的にも利用はしても、本気で支援することは無かった。最も悲惨な出来事は、イラクがサダム体制の時代に、ハラブジャで化学兵器を使い、5000人を超えるクルド人が、犠牲になったことであろう。

 第一次世界大戦で、オスマン帝国(トルコ)が敗北した後、クルド国家の樹立が話題になったが、それは実現しなかった。実は極めて短期間(数ヶ月) クルド国家が誕生したことがあったが、いつの間にか消えてしまった。それはクルドの内部対立が、原因だったといわれている。

 結果的に、世界で最大の難民、国家を持たないクルド民族は、そのまま放置されている。クルド人はトルコ、イラク、シリア、イランに多く居住するが、トルコでは分離独立闘争が続いており、その主体はPKKであり、オジャランがリーダーになっている。ヨーロッパではドイツが最大のクルド人受入国であり、次いでアルメニア、アゼルバイジャン、レバノンなどが並んでいる。

 イラクではイラク北部に自治区を作り、形式的なクルド国家のようになっているが、実質の力は無い。イランではクルドの独立闘争の組織はあるが、極めて脆弱だ。そしてシリアでは現在ある状態だ。つまり、アメリカ軍の傭兵のような形での、闘争が行われてきていた。

 今回のアメリカの動き、トルコの動きはあるいは、クルド国家創設のチャンス、とクルド人たちは考えているかもしれないが、それはリスクは大きいが、国家樹立はほとんど期待出来無いのではないか。

 クルド人の流す血は尊い、などと言っておだてられても、それは何にもなるまい。一時的な夢の独立に騙されて、トルコという強敵の前に、身をさらすだけではないのか。