『サウジアラビアがイエメンの石油盗む』

2019年10月 6日

  サウジアラビアは2015年以来、ハディ元大統領を支援するという名目で、イエメン側と戦っている。その主たる敵はホウシ・グループであり、このグループはシーア派だ。以来今日までに、5万6千人という、多くのイエメン人が、犠牲になっているのだ。

 

  そのサウジアラビアがアラブ諸国から、友軍を集め合同軍 を結成しているが、この合同軍がイエメンで、石油を盗み輸出しているということだ。その石油代金は、サウジアラビアの国立銀行に、振り込まれているということだ。もちろん、その主張はホウシ・グループのアハマド・ダリス氏によるものだ。

 

 サウジアラビアの合同軍側は、これまでに1800万バーレルの、イエメンの石油を盗んだというのだから、結構な量であろう。この現実はイエメン国民を激怒させ、戦闘意欲を煽ることになろう、と彼は言っている。サウジアラビア軍はイエメン南部の、港や空港を支配しており、そこを使って軍人を送り込み、作戦を展開しているのだ。

 

 ホウシ・グループの語るところによれは、サウジアラビア政府はイエメンの南東部に、港を建設し、そこから石油を積み出す、方針だということだ。その場所はマフラであり、既に現地で港を建設する業者は、決まっている模様だ。

 

 このマフラ地域には、アラブ首長国連邦とサウジアラビア軍が、駐留している。建設業者は彼らに対しても、サウジアラビア大使にも感謝の意を述べ、『わが社の技術能力を、評価してもらった結果だ。』と述べている。

 

 さてこのイエメンの港を、サウジアラビアが自国の石油積出港に、改造しようとしているのは、何のためであろうか。実はペルシャ湾の出口の、ホルムズ海峡の航行に、不安が拡大していることと、紅海の出口であるバーブルマンデブ海峡側にも、海賊が徘徊し、不安があるためだ。

 

 そこでこの二つの海峡の影響を受けない、港が必要だというのが、サウジアラビアの考えだ。イエメン南東部ならばアラビア海から、インド洋に直接出港できるからだ。このサウジアラビアの乱暴な考え方は、ヨーロッパやアメリカに、裏から支援がなされ、具体的に動くのではないか。その方が石油の輸入に、支障が無くなるからだ。