『ISがイラク北部でテロ攻撃兵士2人死亡』

2019年10月22日

  イラクの北部ハウイジャから、30キロのアラス油田で、IS(ISIL)が攻撃をかけ、イラク兵士2人が殺害された。IS(ISIL)はアラス油田に通じる、チェック・ポイント2か所を攻撃したために、今回の被害がイラク軍側に、出たということだ。

  IS(ISIL)側はイラク軍の軍事車両に、爆弾を仕掛け、それを爆破した模様だ。なかなか鮮やかな手口、というべきであろうか。逆にイラク軍側には気の緩みが、あったのであろうか。これ以外にも、3人の兵士が、IS(ISIL)の攻撃で、負傷した模様だ。

 シリアからイラクの北部に繋がる地域では、これまでのIS(ISIL)による、攻撃が繰り返し行われているが、それはアメリカ軍の撤退に連れて、増加している模様だ。このイラクの北部地域は、そもそもIS(ISIL)がイスラム国家宣言をし、バグダーデイがそれを宣言した地域なのだ。

 加えて、この地域には油田が多く、IS(ISIL)は豊富な軍資金を、この地域を占領した際に、手にしていたのだ。そのかつての旨酒を再度飲もう、というのがIS(ISIL)の意向であろう。

 アメリカ軍が撤退したということは、これまでとは全く異なる状況を、同地域に生み出している、ということだ。その地域には、トルコ軍が入ろうとしているが、それを許せば、トルコはイラクとシリアの石油を支配し、それを許さなければ、凄惨なIS(ISIL)による殺戮が、再度繰り替えされることになろう。

 つまり、シリア・イラクの北部の状況は、極めてデリケートだということだ。そして、その理由は、この地域の地下全てには、膨大な量の石油が眠っているということだ。アメリカはシリアから撤退すると宣言したが、石油地帯は手放さないと言っている。

 トルコは安全地帯を、トルコ・シリア国境に設立することと、自国のクルド・ミリシアからの防衛にかこつけて、同地域を支配しようとしている。欲の皮の厚さは、何処の国も同じということか。