ロシアが9月21日に伝えた、サウジアラビアに関する情報が、気になってしょうがない。それは、サウジアラビアが同国の、製油所に対して行われた、ドローンによる攻撃について、アメリカとは全く異なる認識を、持っているようだということだ。
ロシアが伝えたところによれば、サウジアラビア政府内部では、同国の製油所に対する攻撃は、イランが行ったものではなく、、他の国が行ったものであろう、と考えているということだ。
その他の国とは、一般的にイスラエルであろう、と考える国が中東には多いようだ。その根拠は、イスラエルがイランの長距離ミサイルの開発と、将来の核兵器開発を恐れており、今回のサウジアラビアの製油所攻撃を、イランの犯行として、アメリカにイラン攻撃をさせたいと、望んでいるからだというのだ。
しかし、私が推測するまでも無く、多くの中東の国々が、そう考えているこということは、アメリカも察知していよう。そうなれば、アメリカにとっては、今回のサウジアラビア政府筋の情報は、極めて不愉快なものであろう。
トランプ大統領がイランと、戦争をしたくないということは、誰しも理解していようが、アメリカの政府内部には、ポンペオ国務長官のように、イランを攻撃したいと望んでいる者も、少なくないのだ。
少なくとも、アメリカはトランプ大統領を含め、今回のサウジアラビアの製油所攻撃を口実に、イランを締め上げたい、と思っている者は、多数いよう。トランプ大統領も然りであり、彼はイランに対する新たな制裁を、行う意志を固めているようだ。
そうした矢先に、被害を受けたサウジアラビアが、犯行はイランによるものではない、と言い出したのでは、アメリカとしてはイランに対する、制裁強化を進めることは、難しくなるし、そんなことをすれば、世界の顰蹙を買うことになろう。
アメリカはサウジアラビアに対して、何らかの意地悪をしないでは、済まされまい。それが何時、どのような形で表面化してくるのか、見物だ。大国は自国の意志を通すことを、力の証明と考え、極めて厳格にそれを実行したがる、傾向がある。さて、次の一幕はどうなるのか、見物だ。