イエメンが放ったドローンが、サウジアラビアの製油所ニ個所に対して、大きなダメージを与えた。そのことは間もなく、サウジアラビアの石油生産量の、大幅な減少となり(半分程度減少)、世界を震撼させることとなった。石油価格は10~16ドル以上も、値上がりしたのだから、当然であろう。
イエメンのホウシ・グループが、犯行声明を出しているにもかかわらず、アメリカは真犯人はイランだ、と言い始め、証拠も握っていると強気だ。しかし、例によってアメリカは明確な証拠を、何も出していない。悪い言い方をすれば、でっち上げのイラン犯行説であり、イランを追い込むために、今回のサウジアラビア製油所攻撃は、利用されているということであろう。
日本のようなお人よしは、アメリカの言うことをすぐに、何の証拠もなしに信用し、受け入れるのであろうが、世界の主要国はそうではあるまい。ヨーロッパ諸国はアメリカの嘘に辟易しているのだ。
アメリカにとっては、今回のサウジアラビア製油所攻撃は、イランを貶めるのに、好都合であり、アメリカに世界を従わせるのにも、好都合であろう。一度は失敗したアメリカ連合による、イラン包囲網が再度語られ、各国はしぶしぶ従うかもしれない。その場合は日本も、バーブルマンデブ海峡警備(紅海の出口)などとは、言っていられないかもしれない。
アメリカはイランのフゼスタンから、ミサイルが発射されたとか、イラクにあるイランの革命防衛隊基地から、ドローンが飛ばされ、攻撃がなされたなどと言っているが、問題は今後、この手の攻撃が継続されるか、ということだ。既に、ホウシ・グループは再攻撃を、口にしているし、一番関心がもたれるのは、ホウシ・グループが語った警告だ。
イエメンのホウシ・グループが出した警告は、『サウジアラビアの製油所で働く、外国人はすぐにそこから出ろ、再度の攻撃があり、お前たちは危険な状態にある。』という内容のものだった。これは人道的な警告などではなく、サウジアラビアとアメリカに対する、警告であろう。
これは単に外国人の身の安全を守るために、語られたのではなく、サウジアラビアの製油所の修復が、危険だと言っているのだ。その結果、サウジアラビアの製油所は、修復が大幅に遅れ、石油の生産が正常化するには、半年ではなく、1年以上もかかるかもしれな、ということなのだ。
そうなれば、イランにとっては好都合であろう。アメリカにとっても、石油価格の高騰は、好都合なのだ。世界の大消費国はこぞって、イランの石油購入に動き、アメリカの意向を無視することになろう。背に腹は代えられない、アメリカが何と言おうとも、中国やインドは買いに走ろうし、ヨーロッパ諸国もしかりであろう。
今回のサウジアラビアの製油所に対する攻撃が、イランによって行われたとか、イエメンのホウ・グループによって、行われたのかは、問題にならなくなろう。ホウシ・グループはサウジアラビアの石油生産再開が遅れるために、攻撃を継続すると言い出しているのだ。