『アメリカはイラン対応緩くトルコ対応は厳しく』

2019年9月 8日

 ジブラルタル海峡で拿捕された、イランのタンカーはその後、釈放され地中海を、遊弋していた。ギリシャやトルコの港に入る、という噂も流れたが、結局はどちらの港にも、入港しなかったようだ。

 

 しかし、いまでは当初の問題であった、シリアへの石油積み下ろしを行うのか、シリアの沖のタルトース港に近い海上に、停泊しているという話だ。そうなれば、当然のこととして積荷を海上で、他のタンカーに積み替えるということが、ありうるであろう、と思われていた。

 

 案の定、200万バーレル積んでいたうちの、100万バーレルが他のタンカーに積み替えられた、というニュースが伝わってきた。その相手のタンカーが何処の国籍かは、定かでは無いが、このニュースと前後して、シリアが石油を受け取った、というニュースが伝わってきている。

 

 万が一の場合は、レバノンのタンカーに積み替え、その後、そのレバノンのタンカーで直接シリアの港へ運ぶか、タンカーから積み下ろして、陸路シリアに運ぶことも、可能であろう。それにしても、アメリカの監視が緩くなったものだ、と思えて仕方が無い。

 

 ボルトン特別顧問は、タンカーがシリアにいると語り、警告を発するのだが、アメリカ政府としては(トランプ大統領)、当分放置の構えであり、タンカーへの対応は急がない、と言っている。まあ何時でも攻撃できる、ということなのであろうか。

 

 それとは別に、アメリカの対応が厳しくなってきているのは、トルコに対してだ。アメリカ政府は3万台のトラックに、武器を満載し、シリアのクルドミリシアSDFに送ったようだ。もちろん、この武器が使われるのは、トルコ軍との武力衝突でだ。

 

 トルコはカンカンであろうが、アメリカはその事を、全く歯牙にもかけていない。やがてトルコ軍はシリアで、苦戦を強いられるのではないか。既に、イドリブのトルコ軍監視所などは、SDFなどに包囲されており、武力衝突に発展すれば、多数のトルコ兵の犠牲が、生まれるだろう。