サウジアラビアの、アブドッラー・ビン・スルタン・ビン・ナ-スル・アール・サウード王子は、イランと戦争になれば8時間で、イランを殲滅できる、と言ってのけた。ご立派というべきか、世間知らずというべきか。
アブドッラー・ビン・スルタン・ビン・ナ-スル・アール・サウード王子に言わせると、イランの所有している武器は、皆古いものだが、サウジアラビアが所有しているのは、最新鋭のものばかりだ、ということだ。
例えば、戦闘機でいうと、サウジアラビアが所有しているのは、F-15だが、イランが所有しているのは、旧式のファントムのF-4だというのだ。これでは全く戦いにならない、とこのアブドッラー・ビン・スルタン・ビン・ナ-スル・アール・サウード王子は、のたまったのだ。
サウジアラビアとイランとの関係が、最近のように悪化したのは、2016年にサウジアラビアのシーア派学者が、処刑されたことに始まったものだ。以来、サウジアアビアのアルカテイーフ地域では、シーア派住民が、サウジアラビアによって、弾圧を加えられ続けている。
このアブドッラー・ビン・スルタン・ビン・ナ-スル・アール・サウード王子に言わせると、サウジアラビアがイランとの兵器装備で、イランを大幅に凌駕したのは、アッラーのご加護によるものだ、というのだ。
アブドッラー・ビン・スルタン・ビン・ナ-スル・アール・サウード王子は、イランとサウジアラビアとの距離を、理解していないようだ。ペルシャ湾を挟んで、サウジアラビアはイランと対峙しており、サウジアラビアの石油施設は、そこにあるのだ。
従って、イランが特攻ボートでも使って攻撃すれば、サウジアラビアの石油産業は、壊滅的な被害を、受けることになろう。イランは小型の特攻ボートを、大量に所有してもいるのだ。
加えて、イランはいまでは中長距離ミサイルを、大量に自国生産出来ており、サウジアラビアの何処にでも飛ばして、攻撃することが出来るのだ。
加えて、両国の人口差もあろう、イランの人口は8000万人、サウジアラビアは3000万人に満たないし、その多くは外国人労働者でもある。その一部は戦闘機乗りのパキスタン人などだが、彼らは命をかけて、サウジアラビアを守るだろうか。
ムハンマド・ビン・スルタン皇太子と言い、このアブドッラー・ビン・スルタン・ビン・ナ-スル・アール・サウード王子と言い、サウジアラビアの王家の人たちは、金と物が全てに勝る、と思っているのだろう。これはイスラムの精神とは異なるのだが。