先日の9月5日に、トルコの与党AKPから、80万人の党員が離党した、というニュースをお伝えした。それが事実なら、エルドアン大統領にとっては、相当ショックなはずだ。80万人という数は、決して少なくなかろう。
トルコの人口を8000万人として、その半分は女性、つまり男性は4000万人、そしてその半分は子供だとすれば、AKPの党員になる男性の数は、2000万人ということになる。
トルコ国民のなかで、AKPを常に支持しているのは、35パーセントだということだから、単純な計算では党員数は、600万人程度であろう。その中から80万人が党籍離脱ということなのだから、AKPへのダメージは少なくなかろう。
そんな計算を、ニュースを読んだ後でしていたら、エルドアン大統領が詳細を、語ったというニュースが流れて来た。そのエルドアン大統領による説明によれば、党籍離脱80万人というのは嘘で、AKPから離党した実数は29万人だということだ。
彼の説明によれば、AKP離党の理由は、ほとんどが死亡によるものであり、高齢者たちということだ。そして現在のAKP党員数は、10719000人から9931103人に、減少したということだ。
もちろん、エルドアン大統領はAKPの党員の減少ということを、認めたくはなかろう。だが彼の説明のなかには、幾つかの真実も、含まれていることがわかる。例えば、離党したという党員は、死亡によるものであり、その党籍が無くなった人たちの、ほとんどは高齢者だった、という点だ。
つまり、AKPの党員のほとんどが、高齢者だということであり、彼らはどんな状況でも、エルドアン大統領を支持する、と言われていた人たちだ。彼がこうした人たちから支持されるのは、貧民対策で援助物資を、届けているからだ。
だが、イスタンブールン市長選挙で見るように、都会の人たちや、若者たちにはエルドアン大統領は、支持されていないのだ。つまり、今回の世論調査の結果は、エルドアン大統領のジリ貧状況が、見えているということではないのか。