『複雑化するイエメン情勢サウジUAE対立へ』

2019年8月24日

 イエメン内戦は複雑化を、増しているようだ。従って、内情は明確には把握出来無い、というのが本音だ。複雑化の理由は、多くのグループが誕生し、それが合従連衡しているからだ。

 いまイエメン内戦で、最も関心をもたれているのは、アデンがどうなるかだ。大分前にイエメン政府は、ホウシ派によって首都を追い出された後、アデンを第2の首都としようとしたが、そこからも追い出される、気配になってきている。

 イエメン政府を支援しているのは、サウジアラビアなのだが、どうも軍事的ノウハウも無く、闇雲にイエメンに爆弾を落とし、多くのイエメン人を殺している、ということのようだ。これに付き合っていたアラブ首長国連邦は、嫌気がさしてきたのであろうか。

 最近、サウジアラビアとアラブ首長国連邦の意見に、相違が生まれ対立関係にまで、陥ってきていると言われ、両国を支援するアメリカは、難しい立場に立たされているようだ。

 サウジアラビアが嫌悪する、イランとアラブ首長国連邦は、接近し始めている。イエメン問題から手を引きたい、ということであろうか。その事は、サウジアラビアが主敵とみなしている、ホウシ派とアラブ首長国連邦との関係が、進展してもいるようだ。

 ホウシ派はイランの支援を受け、武器の供与も受けている。最近ではそのイラン製武器が、アメリカ製のドローンを撃墜しているばかりではなく、サウジアラビア内奥の石油施設に対する攻撃を、展開するようになっている。

 こうなると、イエメン各派を使っての、サウジアラビアとアラブ首長国連邦の、代理戦争に、情況が変化したのではないか、とさえ思える。そして優位に立っているのは、反イエメン政府側なのだから、サウジアラビアは敗色が濃く、アラブ首長国連邦が優位に立っている、ということではないのか。

 さて、ここでアメリカはといえば、カシオギ問題でサウジをけ嫌いし、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の傲慢さに嫌気がさし、アラブ首長国連邦を支持したい気持ちだろう。場合によっては、サウジアラビアをもっと苦しい立場に、追い込むように外部から、工作するかもしれない。

 アラブ首長国連邦はアメリカやイギリスの、アドバイスを素直に受けるだろうが、サウジアラビアは傲慢さが目立つ、可愛くない存在になっているのであろう。イランも然りであり、今ではアラブ首長国連邦の味方が、ダントツに多くなっているということだ。