『戦争報道は常に何処でも大本営発表だが』

2019年8月27日

 イエメンがサウジアラビアを、相当の規模で攻撃したようだ。もちろん戦争報道は何時の時代でも、何処の国でも、大袈裟に自国の勝利を、伝えるものだが、今回はそうとばかりも、言っていられないようだ。

 イエメンはサウジアラビアの、ジザーンばかりではなく、首都リヤドを攻撃した、と発表している。加えて、ナジュラーンも攻撃しているということだ。ナジュラーンではサウジアラビア軍に加え、サウジアラビアが支援している、イエメンのハーデイ大統領派の軍隊も、攻撃の対象になったようだ。

 ジザーンではサウジアラビア軍基地の、軍用アパッチ・ヘリコプターや戦闘機も、破壊されたようだ。当然のことながら、この攻撃でサウジアラビア兵数十人も、犠牲になったようだ。加えて、ジザーンの民間空港も破壊した、とイエメン側は語っている。

 また、イエメン側は首都リヤドから844キロにある、アルサーデイ・エリアも攻撃している。サウジアラビア側の被害は、数十人の負傷者が出た模様だ。

 これらのサウジアラビアに対する、イエメン側の攻撃は、ホウシ・グループが主体のようだ。ホウシ・グループのスポークスマンは、アブハの空軍基地と民間空港を攻撃し、相当の被害がサウジアラビア側に生まれ、空港の監視塔も破壊した、ということだ。

 このホウシ・グループの、サウジアラビアに対する攻撃には、ドローンが使われた模様だ。

いまは正に戦争の主体は、ドローンなのであろう。戦闘機に比べ、安価で使い勝手のいいドローンは、各国が大量に抱えるようになって来ている。

 しかも、イエメンが所有するドローンは、優に1500キロを超えて、飛行できるのだ。従って、イエメンが所有するドローンは、サウジアラビアの何処でも攻撃できる、ということであろう。その攻撃対象は石油施設、油田、港湾、空港、軍事基地そして都市も含まれよう。

 こうしたことから、サウジアラビアが莫大な石油収入にものを言わせ、買い込んだ武器はあまり役立たなく、なってきているようだ。もちろん作戦立案が、幼稚だということもあろう。多分アメリカの作戦へのアドバイスは、今では大分手抜きとなっており、低いレベルに引き下げられているのではないのか。

 ムハンマド・ビン・サルマン皇太子による、カシオギ暗殺以来、アメリカのサウジアラビア、特にムハンマド・ビン・サルマン皇太子に対する印象は、悪化している。どうも、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子とサウジアラビアの今後は、暗い見通しということではないのか。