『レバノンが産油国入りするか』

2019年8月23日

  中東のパリと呼ばれた、レバノン首都ベイルートは、いまでは内戦のために、相当破壊されたままになっている。ハリーリ首相の父親が、サウジアラビアで財を成し、帰国して首相に就任し、ベイルートの一部は再建されたのだが、未だに国内は不安定なままだ。

 

 そのベイルートではいま、明るいニュースが飛び出し、国内は盛り上がっているであろう。何せレバノンが海底石油の掘削を、始めることを発表したからだ。そうなれば、大量の石油が、輸入ではなく自前で確保でき、電気代などは安くなろうし、ガソリン代も安くなろう。

 

 人口の少ないレバノンでは、産出された石油収入が、たちまち国民の生活レベルを、上げるものと思われる。そうなればまさに、ベイルートは中東のパリとなることであろう。

 

 東地中海側は既に、大量のガスの埋蔵が確認され、イスラエルなどは既に、輸出する状態になっている。またトルコやキプロスも、そのことのために、緊張が生まれているのだ。エジプトもすでに,生産段階に入っている。

 

 このレバノンの海底石油の探査と開発は、フランスのトタール社が名乗り出ているが、それだけではなく、マレーシアのペトロナス社も名乗り出ているし、ロシアのルークオイル社、ガスプロム社なども参加するつもりでいる。

 

 レバノン政府は石油の埋蔵が確認されるまでには、あまり時間がかからないだろうと予想しているが、それは事実であろう。これまではレバノン沖にガス資源があることがわかっていても,なかなか外国企業が本格的に、乗り出してこなかっただけのことだ。

 

 レバノンでガスや石油が開発されれば、レバノンのベイルートは相当華やかな街になろう。レバノン人ビジネスマンはそのノウハウを、十分に備えているからだ。私自身も20代の半ばに、駐在員としてベイルート、住んだことがあるが、料理はうまいし、美人が多い街でもあった。