『中東に二つの難題トルコ・イラン』

2019年8月22日

 いま中東には解決が、極めて困難な問題が二つある。一つはトルコがらみの問題であり、これはトルコ軍がシリアに侵攻することによって、始まったものだ。そのトルコ軍のコンボイにロシア軍機が空爆を加え、ロシアとトルコ双方が、熱くなっているのだ。

 もう一つの出来事は、イランが送り出したタンカーが、ジブラルタルで捕まっていたが、イギリスの判断で釈放されたのだ。だがアメリカはこのイランの、タンカー釈放に腹を立て、再拿捕すると言い出している。

 このタンカーはは燃料を積み込む必要が生じ、ギリシャの港に入るだろうと言われていた。それはギリシャの港が、近かっただけの理由であろう。だが、アメリカがギリシャに圧力をかけたために、ギリシャはイランのタンカーの寄港を、認めなかったというのだ。

 一説によれば、タンカーの全長が300メートルもあるため、ギリシャにはこんな大型タンカーを,寄港させることのできる港が、無かったことがイランのタンカー寄港拒否の、本当の理由だとも言われている。

 結果的に、イランのタンカーは地中海のなかで、寄港することの出来る港の無い状態で、幽霊船のように浮かび続けなければ、ならなくなるということではないのか。しかし、タンカーには乗組員がいるので、食料の補給が必要であろうし、燃料の補給も必要に、なろうということだ。

 さて、ギリシャの次にイランのタンカーを、受け入れてくれそうな国は、何処であろうか。アメリカの強い圧力の下で、巨大なタンカ-を受け入れる、港を持つ国はトルコとエジプトぐらいなものであろうか。

 エジプトはアメリカとの関係悪化を、恐れて受け入れまい。結局残るのはトルコということになり、トルコが受け入れるのではないか、と考えられる。トルコはロシアからのS400ミサイルで、アメリカと大もめにもめたが、結局、意地を通して輸入している。

 今回は人道的見地に立って、という立場から、受け入れるのではないか。実はアメリカのトランプ大統領も、イランへの嫌がらせで言いだしてはみたが、あまり評判のいいことではない。

 

 挙げたこぶしをどう下ろそうか、と考えているのではないか。従って、今回の場合トルコが、もし、イランのタンカーを受け入れることになれば、本心では感謝するのではないのか。

 そうしたことから、アメリカはシリアでの、トルコ軍とロシア軍との緊張に、仲介役を果たし、全てがいい方向で、けりが付くのではないか、と楽観している。しかし、それは極めて緊張した出来事であるために、ちょっとした計算違いから、大事件に発展する危険性は、まだあるということだが。