カイロの癌専門病院前で、車に詰まれた爆弾が爆発し、19人が死亡し、30人が負傷した、と報告されている。しかし、死者数も負傷者も、今後増えるものと思われる。それは、このニュースが伝えられた後、死者数は21人というニュースも、流れているからだ。
癌病院はカイロ中心部の、タハリール広場のあり、向かい側には銀行があり、そこの警備員は、ガラスが飛散し、酷い状況だった、と語っている。
事件から間も無く、エジプト政府の治安部は、この爆発がテロリストによって、起こされたものだ、と発表しているが、その通りであろう。運悪く、このテロのすぐ前後には、シーシ大統領が徹底して、テロを取り締まる、と発言したばかりだった。
エジプトではムスリム同胞団メンバーに対する、終身刑や死刑判決が、出ている時期であることが、あるいは今回のテロの、原因かも知れない。また、IS(ISIL)によるテロの可能性も,否定出来まい。それはエジプトの治安部隊が、北シナイで徹底的な掃討作戦を、進めているからだ。
『トルコのエルドアンはサウジが憎い』
トルコとサウジアラビアとの関係は、同じイスラム国であるにもかかわらず、決していい関係には無い。それどころか、次第に憎しみが、顕わになって来ているようだ。それにはそれなりの理由があるのだ。
トルコとカタールとの関係は、極めて良好だが、このカタールとサウジアラビアは、イランとの関係から対立している。サウジアラビアはそれで、カタールをアラブ湾岸諸国グループから、追い出すようなことをやっている。
トルコはサウジアラビアに対抗して、イスラム世界の覇者としての立場を、確立したいようだ。それは、オスマン帝国の末裔ということから来る、国民感情でもあろう。トルコのエルドアン大統領は事ある毎に、トルコがイスラム世界を代表するような発言をし、サウジアラビアの神経を逆なでし、怒りを買っている。
最近も、トルコから物資をサウジアラビアに、搬入しようとしたトルコの貨物トラックが、12日間も国境から入れなかったことがある。最終的には入国を許可されたが、積荷が生ものであれば、腐って使い物にならなかったろう。
こうしたアサウジアラビア側の行動は、嫌がらせ以外の何物でもあるまい。従って、トルコのエルドアン大統領も、目には目をという、サウジ敵対の動きに出ているのだ。