『イスラエルがトルコのF35購入邪魔』

2019年8月 3日

 最近、イスラエルのマスコミが、暴露したところによれば、トルコがアメリカから輸入予定だった、F35の取引が失敗した裏には、イスラエルのアメリカに対する働きかけが、あったからだ、ということのようだ。

 イスラエルはトルコがロシアから、S400ミサイルを購入することを進めるなかで、アメリカに働きかけ、F35の取引を止めるよう、邪魔していたということのようだ。そして、トルコはF35計画から、外されたということのようだ。

 とりあえず、トルコは30機のF35を輸入する予定であり、最終的には116機の、F35を輸入する計画を、立てていたということだ。そのうちの4機は、既にトルコ側に渡っている。

 問題は高価なF35の代金支払いを、どうクリアするか、という難題が待ち受けている。トルコの資金事情は、それほど楽ではないからだ。

 他方、トルコはロシアとの間で、2017年からS400ミサイルの輸入交渉を、続けてきており、それが合意に達し、S400ミサイルは第一便がロシアから空輸され、トルコに渡っている。

 トランプ大統領はトルコの強引な、S400ミサイル輸入について、それを非難しないことを、明らかにしている。それは、オバマ全大統領の間違いだったからだ、と説明している。それは、トランプ大統領が何としても、F35をトルコに輸出したい、ということであろう。116機ものF35輸出は、巨額に上るからだ。

 他方、イスラエルは既にF35を入手しており、イスラエルは中東地域では、唯一の輸入国となっている。それは、述べるまでもなく航空兵力で、イスラエルが中東諸国のなかで、飛びぬけて優位に立っている、ということだ。

 イスラエルはF35の輸入に当たって、アメリカのファンドを受けており、支払いには問題が無い。そのため、ロッキード・マーチン社との契約が、進んだということであろう。イスラエルが輸入するF35の数は、50機の予定だが、16機が既にイスラエル側に、渡っているもようだ。

 中東諸国のなかでは、イスラエルとトルコとの関係は、他に比べ良好とされてきたが、最近になって、ガザ問題などをめぐり、対立する情況が頻発してきていることが、今回のような状態を、生み出したのであろう。

 イスラエルの立場からすると、トルコも敵性国になった、ということであろうか。