トルコの念願のロシア製ミサイルS400が、届き始めている。届き始めているという表現は、まだ本体が届いていない可能性がある、ということか。このミサイルは大型であり、発射台からコントロール・システムまで、相当な部分によって成り立っているものと、思われる。
金曜日の第一陣到着後、トルコのアカル国防相は、アメリカのマーク・エスパー国防長官と、電話で話し合っているが、それは30分もの長きに及んだというのだから、アメリカ側としては、相当不満なのであろう。
アカル国防相はロシアのS400ミサイルだけではなく、アメリカ製のパトリオット・ミサイルも購入の予定だと話したようだ。つまり、アメリカのビジネスの可能性も潰しはしない、ということであろうが、なにやら金儲けがしたくてあせっているアメリカに、飴玉をなめさせたという感じが、しないでもない。
今後、アメリカはトルコに対して、どのような手段を打ってくるのであろうか。何処までも圧力を掛け、S400の取り引きを途中での止めさせる、ということまではいかないのではないか。トルコの外相などは、アメリカにはトルコのロシアとの、S400取引を止めることは出来ないだろう、という趣旨の発言をしている。
別件で、イランの外相もアメリカはイランに対して、制裁出来無いだろうと見ている。それはアメリカのトランプ大統領が、平和主義者だからなのか、あるいはアメリカそのものが国力を、失った結果なのか分からない。
そうした国際環境下では、性能の良いロシア製の、武器に対する評判が広がり、国際市場ではアメリカの欠陥が多く、高価な武器は敬遠され、ロシア製武器が主流になっていくかもしれない。それはアメリカの終りの始まりの、可能性にもなろう。
今後アメリカはどう頭を使って、トルコへのS400を始めとした、ロシア製武器の搬入を止めるのか、非常に興味のあるところだ。以前にも書いたように、アラブ湾岸産油諸国はトルコのS400の購入に、強い関心を示しており、購入でアメリカがトルコに、圧力を掛けないのであれば、S400を買いたいと望んでいるようだ。
それとは別にインド、パキスタンその他の国々も、S400を始めとするロシア製武器には、強い関心を示している。中東諸国だけではなく、まさにロシアの武器市場は、今後世界全体に広がっていく可能性が、大きいということだ。