『中東短信』

2019年7月28日

:モロッコでIS(ISIL)掃討作戦

 モロッコにはIS(ISIL)の、リクルート女性が多いことで、一時期ニュースになったが、IS(ISIL)に加わる者も、少なくないようだ。そのため、モロッコでは折々、IS(ISIL)によるテロが、起こっている。

そうしたことから、今回は政府軍がIS(ISIL)掃討作戦に、打って出たようだ。その成果はまだ分からないが、やはり必要なのであろう。ここで気でなるのは、イラクやシリアで沈静化したIS(ISIL)が、北アフリカで勢力を、巻き返してきているのではないか、ということだ。

 同じ北アフリカのリビアでは、トルコによってIS(ISIL)が送り込まれ、トリポリにあるセラジ首相の政府軍を支援し、ハフタル軍側が苦戦している、というニュースが伝わってきている。やはり激戦を重ねたIS(ISIL)の、死を賭けた作戦は、それなりの凄みがあるのかもしれない。

:バハレーンで市民3人が処刑

 バハレーンでは市民に対する、逮捕、拷問、処刑が、進んでいるようだ。こうしたなかで、今回3人のバハレーンの反政府側の、市民が処刑されたというニュースが、伝わってきている。これに加え、シーア派の宗教学者も、処刑されたということだ。

 バハレーンは体制がスンニー派だが、国民の過半数はシーア派なのだ。このことがバハレーンのシーア派国民と、イランとの連携が懸念され、これまでも何度もシーア派国民逮捕が、繰り返されてきていた。

 ここに来て、シーア派国民の処刑が伝えられたことは、同国があせりを強めている、ということであろうか。このニュースを伝えたのは、アメリカのマスコミだということも、無視できまい。

:ハマースがホウシと同じミサイル獲得

 パレスチナのガザ地区にあるハマース政府が、イエメンのホウシ派と同じ種類の、ミサイルを入手した、とイスラエルのマスコミが報じている。そのミサイルはBM-21グラッド・ミサイルだということだ。

 これは当然、ミサイルの出元はイランであることから、ハマースとイランとの関係が、強化されたことを意味しよう。イランはイスラエルの北側の、レバノンのヘズブラを支援し、シリアでも支援軍事行動を行い、大量の武器を搬入してもいる。

このため、今回のハマースがイラン製ミサイルを、入手したというニュースは、イスラエルにとっては、相当ショックであろう。イランは何処までイスラエルに、軍事的威圧を行うのか、関心のもたれるところだ。