エルドアン大統領は突然金利を4.25パーセント引き下げ25パーセントから、19.75パーセントに下げる決定をしたが、これでも国内のインフレは収まらないと考え、今年中に再度の金利引き下げを、すると語った。
彼は『市場は金利の引き下げを歓迎しているが、これでもまだ不十分だ。今年中にもっと金利を下げる。』と発言したのだ。エルドアン大統領の考えでは、金利を下げれば物価は下がり、インフレは阻止できる、ということのようだが、そうなるのだろうか。
危ないトルコ経済にもかかわらず、外国からのトルコに対する、資本投資が行われていたのは、述べるまでも無く、高金利だったからだ。ここで25パーセントから、19.75パーセントに金利を下げ、加えて今年中に、再度の引き下げを行った場合、外国の投資家たちは、トルコの金融市場から、逃げ出すのではないか。
もう一つの話題は、エルドアン大統領が元AKPのメンバーの、重鎮たちが新党を結成することに、相当神経を尖らせているようだ、ということだ。元蔵相のアリ・ババジャン氏や、元首相のダウトール氏らが、新党結成に動いているからだ。
なかでもアリ・ババジャン氏の新党結成には、元大統領のギュル氏も支援を、送る予定になっているようだ。これに対してエルドアン大統領は、3月11日の地方選挙では、755地区で与党AKPが、勝利しているではないか、と語って反発している。
しかし、アリ・ババジャン氏は与党AKPが、本来の方針から外れてしまっている、と批判している。アリ・ババジャン氏はAKP党結成時の、主要メンバーでもあったのだ。それだけに、今回のアリ・ババジャン氏の動きは、大きな意味を持っていよう。
ダウトール氏はトルコの政治が、エルドアン大統領の独裁になった、彼は全てを握ってしまった、と非難している。こうした二人の大物政治家が、反エルドアンで立ち上がったということは、トルコ国内に相当、政治的なフラストレーションが、溜まってきており、この時期の新党結成は、勝利が確実だという判断を、彼らがしたからではないか。