『ガルフ派兵問題・安倍総理の懸命な答え』

2019年7月23日

 世界中が注視しているなかで、日本はアメリカの唱える、ペルシャ湾周辺の安全確保のための、合同軍設立にどう応えるのだろうか、ということが問題になっている。日本の安倍総理は、この難しい問題にどう応えるのであろうか、と気になるところだ。

 安倍総理の原時点での発言は、最終的なものだとは思わないが、極めて明確に、日本が果たすべき役割を、言ったことは事実だ。安倍総理は「あらゆる努力をする。」と語り、アメリカの合同軍設立の考えに、応分以上の参画を、考えていることを、明らかにした。

 その応分以上の参画とは、日本が先進諸国の中で飛びぬけて、イランと友好的な関係にあることに、起因している。安倍総理は、『我々は長い歴史を通じて、友好的な関係を維持してきている。ロウハーニ大統領にも、何度と無く会っている。』と語った。

 つまり、安倍総理は日本の役割は、イランとアメリカとの仲介役だ、と言っているのだ。そのことは、日本には軍事的参画の意図は、無いということであろう。銅鑼を叩いて緊張を高めるばかりが、能では無かろう。

 西側の国の何処かが、しかるべき仲介役を、買って出るべきであろう。トランプ大統領は戦争になることを、希望していないが、イランを膝まづかせることは、希望していよう。要するにアメリカのメンツを立ててくれ、ということであろう。それはトランプ大統領の大統領再選挙に、直接的な影響を及ぼそう。

 そうしたなかでは、イランとアメリカの双方の間を往来し、緊張を高めないように努力する国が、必要になろう。それに最適なのが、日本なのだろう。日本には安倍総理が言うように、長い歴史を通じての、イランとの友好的な関係があるのだから。

 さて、ヨーロッパ諸国はこの問題を、どう受け止めているのであろうか。ドイツやフランスはアメリカとイランとの緊張を、高めたくないと考えているし、アメリカの言う合同軍とは別の、合同軍を結成して、対応したいと言っている。

 そのヨーロッパ合同軍に、イギリスも参画したい、と思っており、ヨーロッパ諸国は彼ら独自に、自国船舶の安全確保を、するつもりでいるようだ。スペインなどはアメリカ機動部隊から、早々に抜け出し、自国船を帰還させている。

 アメリカが大声で唱えるほど、ヨーロッパ諸国は今回の状況を、緊張とは見なしていないのではないか。軍事緊張を高め、威圧するよりも、交渉を優先させる、という考えであろう。そうであるとすれば、安倍総理の対応は、歓迎されることこそあれ、何ら非難されるべきものではあるまい。

 後は、安倍総理とトランプ大統領との友情の中で、安倍総理がどうトランプ大統領の刀を、鞘に納めさせるかだ。それにはイランの協力も、必要であろう。