『トランプ発言笑いものに米撃墜は自国ドローン』

2019年7月20日

トランプ大統領は誇らしげに、ツイートで『アメリカ軍のボクサー戦闘艦は、イランのドローンを撃墜した。』と伝えた。しかし、それほど格好いい話でもないようだ。実はアメリカが撃墜したと言っている、イランのドローンはイランのものではなく、自国つまり、アメリカのドローンだったというのだ。

 イランのアラグチ外務次官は『我が国はアメリカ軍によって、ドローンを撃墜されていない。アメリカの艦船ボクサーによって撃墜されたのは、アメリカ軍所属のものであり、アメリカ軍は自国軍のドローンを、撃墜したのだろう。』と冗談交じりで情況を、説明している。

 同じように、イラン軍のアボルファズ・シェカルチ将軍も『トランプはイランのドローンを、撃墜したと言っているが、全く根拠のない話だ。イランのドローンはすべて安全に、基地に帰還している。』と語っている。

 イランのスポークスマンは『イラン軍はペルシャ湾での、外国船の安全を守るために、ペルシャ湾の安全を、維持しようとしている。それは国際法に則った行動だ。しかし、トランプはこの地域での安全を脅かし、緊張を高めている。』と語っている。

 もし、イランのアラグチ外務次官の、言う通りであるとすれば、トランプ大統領の虚言は、世界の笑いものとなろう。イラン側はビデオを公開してもいい、と言っており、撃墜されたドローンは、アメリカのものであり、自国が間違えて、撃ち落とした可能性が、高いのではないのか。

 アメリカは何とか、イランとの軍事緊張を高め、場合によっては、イランとの戦争を始めたいのかも知れない。それは、トランプ大統領の意志というよりも、軍産複合体側の意向であろうか。

 このことで問題なのは、アメリカ政府内部が統一されておらず、軍は偽情報をトランプ大統領に伝えている、可能性があるということだ。そうだとすれば、気が付いたときは、事実とは異なる緊張を高め、戦争に突入してしまうのではないか、ということだ。

 アメリカはいままで、シリアでは化学兵器をシリア側が使った、という偽情報で攻撃の口実を作ってきたし、イラク戦争でもイラクが、核兵器開発を進めている、という嘘でイラク攻撃戦を始めている。戦後それは嘘だった、ということが明らかになったが、後の祭りだった。イラクは150万人を超える死者を出し、街は広範に破壊されまくることとなった

 いまの時代は報道を常に正しいとは、信じられないということだ。ある程度の情報を入手したら、それを疑ってかかることが、必要であろう。また、その情報の事実を知るには、常識を駆使して考えてみることが必要なのではないのか。