『イラクの対米非難とイランの関わり』

2019年7月16日

 イラクの国会議員が、アメリカのイラク国内施設や大使館に対して、厳しい非難を浴びせかけている。これはサーレムという名の議員であり、彼に言わせると、イラクにあるアメリカ大使館は、イスラエルのモサドやIS(ISIL)の、本部になっているということだ。

 

 IS(ISIL)やモサドのメンバーは、頻繁にアメリカ大使館を訪問しており、アメリカ大使館はあたかも、モサドやIS(ISIL)のセンターになっているようだ。サーレム議員はセンターは大使館ではないので、早急に閉鎖されるべきだというのだ。

 

 アメリカはいままで、IS(ISIL)のバグダーデイを、匿ってきたし、シリアからイラクに逃亡させてもいる。そのお陰で、バグダーデイは西イラクの、アンバル地域に潜伏できているというのだ。

 

 元首相のマリキーもアメリカの、汚いイラクへの関与について、秘密部分をばらし始めている。彼に言わせれば、IS(ISIL)に対する支援は、アメリカによって行われていた、ということだ。そのおかげでIS(ISIL)は、モンスターになれたということだ。

 

 そもそも、IS(ISIL)が誕生したのは、オバマ元大統領によるものであり、アメリカの支援でIS(ISIL)は、イラク国内で戦闘を、展開していられたのだということだ。シリアのバグーズ地域から、IS(ISIL)をイラクに移動させたのは、アメリカであり、その結果、アメリカはイラクが不安定化することを狙ったのだ。そのことは、アメリカ軍のイラク駐留に、口実を作ったというのだ。

 

 ところが、アメリカ軍はイラク国内にある、アメリカ軍基地内にイラク人を、一切入れさせていない。これはイラクの領土がアメリカによって、占領されていることと、何ら変わりがないではないか。

 

 さて、イラクがここに来て、アメリカ非難を強めたのは、何故であろうか。多分に、イランとの関係からではないか、と思われる。アメリカはいまイランに対し、新たな制裁を持ち出し、圧力をかけている。

 

 イラクはその苦しい立場に追い込まれている、イランをイラク国内のアメリカ大使館やアメリカ軍非難で、矛先を変えようとしているのではないだろうか。イラクが単独でアメリカに牙をむくことは考え難い。イランと共同歩調ならあり得よう。