『イラン・タンカーが近く釈放される』

2019年7月14日

  ジブラルタル海峡で拿捕された、イランの大型タンカーグレース1が、近く釈放される予定だ。イギリスのハント外相がその事について発言している。ハント外相によれば、『イラン・タンカーの石油が、シリアに向かわないのであれば、釈放しても構わない。』ということのようだ。

 

 アメリカはイランの石油を、一滴たりとも輸出させない、という強硬な姿勢だが、EU諸国はそうしたことを、決定してはいない。もし、イランの石油がシリアに向かわないのであれば、この石油の購入を希望するヨーロッパの国が、出てくるかもしれない。

 

 EU諸国の立場は、イラン石油の購入を禁じてはいないが、シリアへの石油供給については、禁止となっている。何せタンカーに積まれてある石油は、210万バーレルという大量なのだから、これをイランまで引き返すのは、ばかげていると言えるだろう。

 

 問題は、ジブラルタル自治政府がどう対応するか、ということだが、ジブラルタル自治政府には、アメリカが関与してこよう。イラン政府は今回のイラン・タンカー拿捕劇は、アメリカの差し金によるものだ、という捉え方をしている。後日、ジブラルタル自治政府の外相は、イランタンカーの拿捕事件には、アメリカが関与していたことを、明らかにしている。

現在、ジブラルタル自治政府は、イラン・タンカーを拘束しており、乗組員とキャプテンの4人を捉えている。今後、ジブラルタル自治政府は彼らに関する、裁判を進めるものと思われる。ロシアの情報のよれば、乗組員は釈放されたが、タンカーはまだ補足されているとのことのようだ。

 

 現在、ジブラルタル自治政府は、イラン・タンカーを拘束しており、乗組員とキャプテンの4人を捉えている。今後、ジブラルタル自治政府は彼らに関する、裁判を進めるものと思われる。

 

 何故この段階になって、イラン・タンカーの釈放を、イギリス政府は急いでいるのであろうか。それは、ペルシャ湾とその周辺海域で、イギリスのタンカーがイラン側に、拿捕される危険性が、高まっているからであろう。既に、イラン側のそうした動きはあり、先日、イギリスはタンカーを守るために、戦闘艦4隻を派遣せざるを、得なくなっているのだ。

 

 イランはこのイギリスの新たな立場を、歓迎しているし、イランの勝利だと感じているだろう。どうもイギリスにしろ、アメリカにしろ、いままでのような武力と悪知恵による、第三世界の締め付けは、出来なくなってきているような気がする。それはやはり両国が経済的に、苦しくなってきているからであろう。