『ユダヤ人仏から多数イスラエルへ』

2019年7月10日

 フランスから多数のユダヤ人が脱出、イスラエルに移住し始めている。これはフランスだけではなく、ヨーロッパ社会が右傾化しているためであろう。これまでは禁止になっていたナチズムが、次第に復活してきており、反ユダヤの動きが活発化しているからであろう。

 ドイツですらネオナチと呼ばれる、右翼グループの動きが活発化し、すでにドイツ社会では、地位を得ている。彼らの暴力的な言動は、社会問題になってきているのだ。それはドイツに始まり、他のヨーロッパ諸国にも広がっているのだ。

 フランスでもしかりであり、ユダヤ人の墓地が荒らされるということが、何度も起こっている。フランスでなぜそうなのかと言えば、フランス人の中にネオナチが拡大していることに加え、北アフリカから移住してきた、イスラム教徒の数が激増しているためであろう。

 フランス人口の10パーセント前後が、すでにイスラム教徒になっているというのだから、影響が出て当たり前であろう。彼らも反ユダヤの活動を、活発化しているのだ。そのため、フランスに居住するユダヤ人たちは、身の危険を真剣に、懸念し始めていたのだ。

 その結果、フランスに居住するユダヤ人たちは、彼らの国であるイスラエルに移住しよう、と思うようになったのであろう。こうした動きに対し、イスラエルのネタニヤフ首相はだいぶ前から、在外のユダヤ人を温かく迎え入れると語り、フランスなどからのイスラエルへの移住を、呼び掛けてきていた。

 フランスからイスラエルに移住した、ユダヤ人たちにとってイスラエルは、どのような印象を抱かせ、どのような生活をするのであろうか。実は地上の天国と思ってきたイスラエルは、四方をアラブ人に囲まれ、何時攻撃されるか分からない状況にある。

 新たに来るユダヤ人を迎え入れるために、イスラエルはパレスチナ人の土地を奪い,

、入植地を建設していることもあり、ユダヤ人たちはイスラエルに移住して、最初に受けるのが、パレスチナ人やレバノン人からの、銃弾の歓迎ではないのか。

 それでもフランスからのユダヤ人移住者は、28パーセントも増えているということだ。彼らの夢と現実がどう交差するのか、興味が持たれる。ホロコーストの悪夢がよみがえることの方が、イスラエルの現実よりも、恐怖なのであろうか。

 他方、エジプトにはいまだに居住し続けるユダヤ人が、5人いるということだ。彼らは死ぬまでファラオの国(エジプト)に住みたいと言っているそうだ。ユダヤ人の教会シナゴーグはテロ攻撃を受けることもなく、残っているのだ。

 同様にイランにも、25000人ほどのユダヤ人が住んでいる。彼らは他のイラン人と同権であり、何不自由ない暮らしをしているようだ。それどころか彼らは、ある種の特権を享受しているのだ。

 ネオナチの動きにあおられて、慌てふためいてイスラエルに、向かうことが正解なのか、あるいは今住んでいる国に、住み続けるのが正解なのかは、長い目で見れば答えが出て来よう。移住の必要のないことを祈りたい。