NO:5617   7月21A日  『シリア・クルドがIS裁判に苦慮』

2019年7月20日

 シリアでアメリカの支援を受ける、クルド組織はSDFだが、いまこのSDFは、IS(ISIL)の対応で苦慮しているようだ。それは、SDFには死刑という制度が無いからだ。従って、捕らえたIS(ISIL)

の戦闘員は、刑務所に収監し、延々と食事を与え、健康管理してやら無ければ、ならないということだ。

 

 その数は、50人とか100人とかのレベルではなく、数千人台にも及ぶものであるだけに、収容施設にも食料にも、相当の金がかかる、ということであろう。数千人のIS(ISIL)の外国人戦闘員を前に、その対応を検討しているようだ。

 

 外国人戦闘員は種々雑多で、アジア人もいれば、ヨーロッパ人、アラビア人もいるのだ。アジア人はフィリピン人やインドネシア人が主であろうし、ヨーロッパ人はフランス、ドイツ人に加え、東ヨーロッパの旧オスマン帝国地域からの者が、多いだろう。

 

 そこで考えられたのが、IS(ISIL)の戦闘員をシリアから、イラクに移送するという方法だ。イラクには死刑制度があり、処刑することが出来るのだ。このIS(ISIL)の移送については、アメリカも反対すまい。

 

 なにやらベルトコンベアに乗せられて、鶏の処理場に向かう光景が、浮かんでくるのだが、この場合処理されるのは、人間であり鶏ではない。加えて、多くのIS(ISIL)戦闘員の家族だった、女性や子供たちもいる、彼らを引き取ってくれる母国はあまり無く、行き場がない状態になっているのだ。

 

 ヤズデイの女性については、多くの悲惨な情況が伝えられたが、アラブ人女性については、情報があまり漏れてこない。彼女たちも売られ、偽装結婚を強要され、暴力を受け、悲惨な日々を送っていたのであろう。アッラーは彼女たちを救おうとは、しないのであろうか、と言いたくなる。