『モルシ―元大統領の急死の謎』

2019年6月20日

 エジプトのモルシ―元大統領が裁判所で倒れ、急死したというニュースは、さすがにショックだった。彼はムスリム同胞団のメンバーであり、ムバーラク体制が打倒された後行われた選挙で、当選し大統領になった。

 しかし、その後シーシ将軍によるクーデターで、彼は大統領の座を追われ、しかも投獄され、裁判にかけられていた。投獄期間は6年であり、彼は持病を抱えていたが、十分な治療は受けられなかった、ということだ。

 このため、モルシ―元大統領が死亡したのは、エジプト政府による、モルシ―元大統領の病気放置による、死亡の結果だったという意見が、出てきている。その病気は心臓病だったというのだから十分にありうる話であろう。

 ところがここに来てフランスから、とんでもない情報が、流れてきている。それはフランスの元シークレット・サービスの部長だった、ベルナルド・バジョレ氏が新説を、唱え始めたのだ。

 ベルナルド・バジョレ氏によれば、モルシ―元大統領が死亡した裏には、アラブ首長国連邦の王子が、絡んでいるというのだ。アラブ首長国連邦のアブダビの王子、シェイク・タハヌーンは616日に、カイロを訪問している。

それがモルシ―元大統領の死亡と、関係があるというのだ。そのことは、フランスの情報機関からも、クレームが出ているので、相当角度の高い、情報であろうと思われる。

トルコのエルドアン大統領も、モルシ―元大統領の突然の死に、クレームを付け始めている。自然なものではない、何らかの秘密があるはずだ、と言い始めていのだ。エルドアン大統領はイスラム色の強い大統領であるため、エジプトのムスリム同胞団出身の、モルシ―元大統領とは、じっこんの仲であった。

エルドアン大統領はモルシ―元大統領が、病気持であったにもかかわらず、十分な治療を受けることが、出来なかったこと自体が、犯罪だということであろう。同じ時期に刑務所にいた、ムバーラク大統領は十分な治療を受け、十分な食事を与えられているのだが、その違いは何だというのであろうか。

フランスの法律家や学者たちは、このモルシ―元大統領の死亡問題を、国際司法裁判所に提訴するつもりでいる。従ってこの問題は、これからが本番であろう。サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子によるカシオギ殺害事件、そして今回のアブダビのシェイク・タハヌーンの、モルシ―元大統領死亡事件との関連疑惑。

アラブでは陰謀が飛び交っている。しかも、そこで嫌疑がかけられているのは、まさに王家の要人たちなのだ。国連はムハンマド・ビン・サルマン皇太子のカシオギ殺害事件への関与は、ほぼ証拠をまとめ挙げたようで、近く新たな動きが始まろう。