「安倍首相のイラン訪問成果は有りや無しや』

2019年6月 7日

 安倍首相が612日から14日にかけて、イランを公式訪問することが決まった。述べるまでもなく、訪問目的はイランとアメリカとの、関係を修復することにある。何とかイランとアメリカのトップが、直接会って話し合う状況を、作りたいということであろう。

 今回の訪問はトランプ大統領の、依頼によるものだということだが、そんなことは問題ではない。トランプ大統領が何を考えていようが、安倍首相には首相なりの考えがあろうからだ。

 いま言われていることは、トランプ大統領がメンツを保って、イラン側と話し合いたいということだ。もし、それがかなわなければ、ずるずるとイラン・アメリカ関係は、緊張の度を高めていくことになる。

 そうなっては、トランプ大統領とは反対の立場の、ポンペオ国務長官やボルトン顧問らの強硬論が、中心となってしまい、誰が大統領なのか分からなくなってしまおう。それはイランとても同じことだ。そうした状況を打破するために、トランプ大統領は何とか、メンツの立つイランとの対話を、したいということであろう。

 イランの場合、ハメネイ師が強硬論者だと言われており、彼を支持する革命防衛隊が、強硬な立場に立っているが、石油禁輸をアメリカに仕掛けられたことにより、国家財政は相当苦しい、というのが実情ではないか。

 安倍首相はハメネイ師やロウハーニ大統領と、会うことを希望しており、この会談はほぼ間違いなく実現しよう。そこでは、イランと日本との関係が、イラン革命以来40年間に渡って、首相訪問がなかったこともあり、熱いものになるのではないか。日本側はイランとの歴史的な、良好な関係を強調しよう。

 日本の外交官たちは、イラン側が安倍首相のメンツを、潰すことはなかろうし、何のお土産も持たずに、帰すこともなかろう、とみているようだ。それはそうであろう。イラン側にとっても、まさにクリテイカル・モーメントのなかで、大石油輸入国であり、友好国家の首相が、訪問するのだから。

 イラン側もそうした事情から、アメリカとの対話については、イランに敬意を表する態度でアプローチし、メンツを立ててほしいと言っている。

 そうしたなかではイランと日本は、90年の外交関係があり、ホメイニ革命40周年記念の時期でもあることから、安倍首相の訪問はいい雰囲気のなかで、進められるのではないのか。

 アメリカによってイランのモサデク政権が追い込まれたとき、敢然としてイランの石油を買って、助けたのは日本だったということを、イラン政府の高官たちが、忘れているとも思えない。

 イラン側には日本の安倍首相の、メンツを立てることにより、いま直面している窮地から、脱出したいと考えていよう。安倍首相は運のいい人なのかもしれない。ぜひ今回のイラン訪問は、成功していただきたいものだ。

 イランやアラブの記事を読んでいると、皆今回の安倍首相の訪問には、期待と歓迎の雰囲気が、みなぎっているようだ。