『ボルトンの馬鹿げた主張イラン非難』

2019年5月30日

 アメリカの政府高官であるボルトン国家安全担当アドバイザーが、馬鹿げた主張を繰り返している。彼はアメリカ軍にイラン攻撃をさせたがっているようだ。その事でこれまで、トランプ大統領との意見の食い違いが大きくなり、トランプ大統領はボルトン国家安全担当アドバイザーとポンペオ国務長官を首にするのではないか、と噂されている。

 

 今回、ボルトンが言い出したのは、イランがサウジアラビアの石油タンカーを攻撃した、というでまかせだ。どう考えてもアメリカが、イランに対する非難のトーンを上げている時期に、イランがサウジアラビアのタンカーを攻撃するとは思えない。そんなことをしたら、世界中からイランの主張は、認められなくなるからだ。

 

 次いで、ボルトンが主張したのは、サウジアラビアのヤンブーにある石油ターミナルが、攻撃されそうだという話だ。これもどうも納得がいかない。しかも、ボルトンの主張には、明確な根拠は一つもない。言わば思い付きででまかせのイラン非難を、並べているだけのような気がする。これが元でアメリカ軍が、イランを軍事攻撃するようなことがあってはなるまい。

 

 アメリカがイランを攻撃するとなれば、イランの核施設が真っ先に攻撃されようから、その結果は述べるまでも無く、人道も何もあったものではあるまい。ただアメリカはそのような非人道的な攻撃を、これまでに何度も繰り返してきているし、嘘の非難でそれを実行してきているから、ありえないとは言え無い。

 

 イラクのサダム体制打倒は、イラクが核兵器を開発している、という嘘で始められ、結果的には核兵器開発を、証拠付ける何も出てこなかった。また、リビアのカダフィ体制打倒も、根拠のない話で行われ、リビアはいまだに内戦状態にある。

 

 いまアメリカの軍事攻撃にブレーキをかけうるのは、トランプ大統領の常識的判断にかかっていよう。