『チャバハル・グワダルルートをイランが希望』

2019年5月25日

 イランのオマーン湾に面したというか、インド洋に開けたところに、チャバハルというところがある。そこにはシャヒード・ベヘシチ港がある。その港とパキスタンのグワダル港を連結するという考えを、イランは持っており、ザリーフ外相が正式にその希望を、パキスタン側に伝えた。

 この二つの港の連結がかなえば、インドやパキスタン、イランの物資がアフガニスタンや中央アジアの国々、そしてロシアにまで届けられることになる。それは関係諸国の経済にとって、大きな貢献となろう。

 この連結に鉄道が重なるわけだから、その効果は大きかろう。トルクメニスタン、カザフスタンン、ロシア、アゼルバイジャンも、このネットワークで結ばれることになるのだ。述べるまでも無く、グワダル港は中国の支援によって、整備された港であり、それは、一帯一路に沿ったものであろうから、イランもそれに関わることになるのだ。

 アフガニスタンからは野菜、果物、ナッツ、鉱物資源、宝石が輸出されることになり、インドからは小麦が荷揚げされ、アフガニスタンとイランを経由して、中央アジア諸国に送られよう。

 この結果、インドやアフガニスタンは国内的に経済状態が改善され、安定を見ることになろう。そもそも、チャバハルのシャヒード・ベヘシチ港はインドの支援で、整備されたところだ。それはインドが手掛けた、最初の外国の港整備だった、記念すべきものだ。

 チャバハルのシャヒード・ベヘシチ港には、10億ドルの投資がなされたということだ。それはイランにとっては大洋に面した唯一の港でもある。その結果、港は3倍の貨物輸送能力を持つに至り、850万トンを処理できるようになった。しかも、10万トン・クラスの船が、入港出来るようになっているのだ。

 港のカーゴ処理能力は8200万トンに達するというのだから、相当なものであろう。このイランのチャバハルと、パキスタンのグワダルの連結は、それだけではあるまい。イランと中国との関係を強化させることにも、繋がるのではないか。

 それはアメリカがこの地域から一掃されてしまう、危険性があるということであり、イランとアメリカとの緊張関係でも、中国やロシアがイランを支援するようになる、ということではなかろうか。

 イランはアメリカを全く恐れておらず、冷静にこの地域全体を巻き込み、アメリカに対抗しようとしているように、思えてならない。