:トルコはヨーロッパ諸国やサウジアラビアから、嫌がらせを受けているようだ。まずヨーロッパだが、EU加盟諸国はトルコ人のビザに関して、厳しい対応を始めたようだ。これはグリーン・パスポート所有者に対するもので、グリーン・パスポートは公務員や一部のエリートに、発行されるものだ。
このグリーン・パスポートの所有者は、ビザを申請せずにヨーロッパ諸国に、入れていたのだが、最近になって、入国に際し幾つかの条件を、求められるようになった。その条件とは、健康証明書の提示、滞在一日につき45ユーロの現金を持っていること、そして公式あるいはビジネス訪問を、証明する書類の提示、有効期限のあるクレジット・カード所有などだ。
つまり、グリーン・パスポートを所有していても、これらの条件を満たさない者は、入国を認められないということだ。これまで多くのトルコ人エリートは、私用でこのグリーン・パスポートを使用し、ヨーロッパ諸国に入国していたということだ。
:サウジアラビアからはトルコへの投資が、危険だという警告が、商工会議所から出されている。これまでサウジアラビア人が投資したり、不動産を購入して、幾つものトラブルが発生し、それがトルコのサウジアラビア大使館や、領事館に持ち込まれていたのであろう。
リヤドの商工会議所責任者のアジュラン・アルアジュラン氏は、トルコへの投資が危険だと警告を発した。それは、トルコの経済状態が悪化していることにあり、社会的にも安定度を、下げているからだ。
不動産を購入した者が、その家に入ろうとしても、入れないといったトラブルも、起こっている。トルコの不動産はヨーロッパ人、アラブ湾岸諸国の人達が購入し、リゾートに使っているのだが、その快適さは失われるということか。
ただ、トルコにとって外国人に、高級住宅を販売することは、外貨獲得の目玉でもあり、こうした問題が公になれば、当然、住宅市場は冷え込むことになろう。トルコ政府は今年も、住宅が外国人に買われている、と宣伝しているが実情は逆だ。
トルコ政府は新たな外貨獲得手段を、講じなければならなくなる、ということであろうが、それはそう容易には見つかるまい。外人向け住宅販売、外人観光客誘致。農産品輸出、建築業の進出などが、主な外貨収入源となっているのがトルコの実情だ。
さてこうした問題が、いまの時期に出てきたということは、やはりトルコとアメリカやヨーロッパとの関係が、悪化していることが原因ではないのか。これでトルコ人がヨーロッパ訪問で不便を感じたり、サウジアラビアからの投資が減れば、まさに、踏んだり蹴ったりであろう。