アフリカの北部から中部にかけて、危険度が上がっている。この地域は、サーヘル地域と呼ばれる地域だが、多くの国がその地域内に、含まれている。ここにはリビアを始め、アルジェリア、マリ、ナイジェリア、ニジェール、チャド、ブルキナファソ、モーリタニアなどが含まれる。グレート・サーヘル・サハラの面積は900万平方キロメートルもある。
ブルキナファソでは教会が攻撃され、店、喫茶店、地域診療所も放火されている。つまり攻撃対象になっているのは、まさに住民の生活基盤なわけだ。
この地域には西アフリカ・ジハード運動(MUJWA)や、イスラム・マグレブ・アルカーイダ(AQIM)、マシナ解放運動(MLF)、イスラム国家グループ(ISGS)などといった組織がある。これらの組織がいま、連帯統一に向かっているということだ。
これらの組織の幾つかは、リビア内部と関係を持っており、密輸、移住、人の移送などを行っている。そして、リビアは何トンもの武器を、これらジハード組織に、提供する国になっているのだ。その戦闘員の数はいまでは、2017年当時の二倍になっている、と報告されている。
貧困、無知、社会的不平等、青年に希望の無い環境といったことが、ジハーデストを増やす原因になっている。それはほとんどのアフリカ諸国に、共通するものだ。そのためにイスラム組織、ジハード組織に加わっていくのだ。
その情況を見て、IS(ISIL)はアフリカのサーヘル地域に、侵入してきている。バグダーデイは中央アフリカや、ブルキナファソを拠点にしようとしているようだ。バグダーデイはビデオで近い将来、これらの組織がIS(ISIL)の作戦を遂行する、と語っている。IS(ISIL)はアフリカ諸国に系列組織を、増やしていく方針なのだ。
IS(ISIL)が狙っているのは国際軍であり、フランスはその第一のターゲットとなろう。フランスは西アフリカに軍を派兵しているからだ。これら国際軍に戦闘を仕掛けることにより、バグダーデイは再度その名を、高めたいということであろう。
現在の主な攻撃対象は、チャド湖周辺、エジプト、マリなどだ。ISWAの戦闘員数は58パーセント増加した、という報告もある。同時に攻撃も増え、2017年には366件だったものが、2018年には611件に増えている。
攻撃が激化する中で、マリでは学校閉鎖が増えている。それは児童たちが危険にさらされるからだ。フランス軍も危険なために、一部撤退している。この場合はアルカーイダが主役のようだ。ボコハラムも存在し活動している。彼らはドローンも使えるようになっている。
アブ・ムサブ・バルナーウイやアブ・バクル・シェカウイといった、新手のヒーローも登場してきている。彼らジハード・グループは税の徴収、貿易管理、資源のコントロールなどで、資金を得ている。
リビアの石油を狙う動きは活発化してきており、南部石油地帯は何度も攻撃を受け、ハフタル将軍の部隊LNA)と衝突している。ここではアブ・タルハ・リービやアブドッラー・デスーキなどが指揮を執っている。