『バレバレのアメリカの嘘は通じない時代』

2019年5月18日

 トランプ大統領はスタッフに指示し。彼の携帯電話番号をイラン側に伝えた、というニュースは大分前に伝わってきた。彼は北朝鮮のように、トップ会談にイランを引きずり込みたいのであろう。

 もしそれがかない、アメリカとイランのトップが直接交渉することになれば、それはトランプ大統領の選挙を、有利にしてくれる、と考えているからであろう。しかし、イラン側はそのトップ交渉が行われたとしても、アメリカのイランに対する対応に、あまり期待出来無いことを知っており、応じようとしない。

 イラン側に言わせると、アメリカのイラン制裁は1979年当時から、未だに続いているということだ。従って、アメリカの手口は見え透いている、ということだ。このアメリカに対する認識は、イラン国内の強硬派も穏健派も、同じなのであろう。

 トランプは動いてくれないイランを動かそうとして、戦争の危機を煽ってみたが、アメリカというかトランプ自身に、戦争などする気力は無いことは、イランにはばれている。アメリカの戦争危機は、嘘だと分かっているから、イラン側は『どうぞ始めましょうか?』といった具合なのだ。

 アメリカのボルトンとポンペオは、戦争推進派だと言われ、彼らとトランプの不仲説が出て、ボルトンを首にするだろうという情報も、伝わってきてはいるが、これもトランプ大統領の芝居に過ぎまい。

 結局、トランプ大統領は何時掛かってくるとも分からない、イランからのラブ・コールを待ち続ける日々を、重ねるということだ。つい最近、アラブ首長国連邦のフジャイラ沖で起こった、4隻の船への攻撃も、世界は無視という反応だった。

 このタイミングで、イランがアメリカの望むような、タンカー攻撃など仕掛けるわけが無いからだ。アメリカのヤラセも通用しなくなった、ということであろう。事件の当事国であるタンカーを攻撃されたサウジアラビアも、事件現場であるアラブ首長国連邦も、イランを名指しで非難などしていない。

 もし証拠も無しに、サウジアラビアやアラブ首長国連邦が、イラン犯人説を出せば、両国とイランとの関係は緊張の度を高め、両国は危険にさらされることになろう。結局は誰もものを言わず、沈黙を守っているということだ。

 今の時代は、犯行の証拠がすぐに明らかになる時代であり、捏造情報は短時間で通用しなくなる。また捏造はマスコミを駆使して、ということになるが、今の時代はマスコミ自体が、あまり信用されないように、なってきていることも事実だ。これでは、これまでアメリカが得意として来た、アメリカ初の大本営発表は通用すまい。