トランプ大統領が唱える、世紀の中東和平案なるものが、イスラエルによって明らかにされた。それは極めてイスラエル寄りであり、パレスチナには不利なものであり、身勝手というしかない代物だ。
その内容はおよそ次のようなものだ。
:エルサレムは分割されずイスラエルの管轄下に置かれる。
:エルサレムのアラブ人はパレスチナの市民とされる。
:イスラエル政府はエルサレムの統治と土地を管理する。
:パレスチナ政府はエルサレムの電気水道料金を支払う。
:ユダヤ人はパレスチナ人の家を買えない。
:エジプトはパレスチナに工業用地、空港用地、農業用地などを与えるが、パレスチナ人はそこには住めない。(シナイ半島北部)
:合意後5年間に渡り、欧米とガルフ諸国は300億ドルの資金を、パレスチナに与える。
;このうち20%は米が、EUが10%、ガルフ諸国が70%を提供するものとする。
:パレスチナは軍を結成出来ない。
:パレスチナは軽火器を所有できる。
:ハマースは個人所有の武器を含め、全てをエジプト側に渡す。
:ハマースの幹部を含めた公務員は、外国から給与を受け取れる。
:ガザの国境は海域を含め、イスラエルとエジプトと開かれる。
:パレスチナの選挙への参加は、誰にも機会が与えられる。
:3年以内にパレスチナ人受刑者が、イスラエル刑務所から漸次釈放される。
:西岸ガザを繋ぐ高速道路は、中国が50%の費用を負担し建設する。残りは韓国、アメリカ、EU、カナダ、オーストラリアが各10%を負担する。
:ヨルダン渓谷はイスラエルの管理下に置かれる。
:エジプト、ヨルダン、サウジアラビア、UAEはこの計画が実施されるよう、パレスチナ自治政府に圧力をかける。
もちろん、パレスチナ自治政府はこのトランプ案に、反対しているが、その反対の力は弱いだろう。それはパスチナ政府が湾岸諸国や、欧米の経済支援で成り立っているからだ。